台頭するイーロンマスク世代 その強みと課題
最近50代の人が政治や社会の中心に出てきたね。
アメリカで言えば、イーロンマスクさんが54歳だし、国民民主党の玉置雄一郎さんも50代半ばだよね。
他にもいろんな分野にたくさんいるとは思うけれども、とりあえずこの50代半ばの人たちを、イーロンマスク世代と名付けてみたいんだよ。
この人たちには共通する特徴があると思うんだよね。
その1つは実力本位ということだと思うんだ。
いろんな修羅場を潜ってきて、実力を磨いて、のし上がってきたところが共通点としてある気がするんだよ。
イーロンマさんで言えば、まずはスタートアップで企業家として成功して、その後も投資家として成功し続ける中で、嗅覚を磨いてきたんだろうね。
玉置雄一郎さんも、もともと財務省のエリート官僚だけれども、早々と政治に進出してきたからね。
そして国民民主党を立ち上げて、SNSを使って自分の力で躍進させるところは、実力1本勝負だったと思うよ。
日本の場合は、この世代は、失われた30年の中で、もがき苦しんできた世代だからね。
その上の世代がどん底と失望にさいなまれる中で、どうやって自分を励まして、前に進むかを考えてきたのが、この世代の特徴だと思うよ。
そこはとても評価して良いことだと思うんだけれども、やはり課題もあると思うんだよ。
それは、この世代というのは70年代以降に物心がついているから、グローバリズムしか知らないところがあるんだよ。
だからグローバリズムに代わるものとしての、民族主義とか、ナショナリズムについてよくわかっていないんだよ。
だからどうしても、自分の欲を優先してしまうんだよ。
それで玉置雄一郎さんも、女性スキャンダルを起こしたからね。
自分の欲望優先してしまうから、脇が甘くなって、そこを刺されてしまうんだね。
だからこの世代の課題は、国家意識というものを持つことだと思うよ。
昔、岡崎久彦さんという外交評論家で、元外交官の人がいたけれども、どもりが激しかったんだよ。
そんな時ある時、「国のために生き、国のために死ねばそれでいいんだ」ということが腑に落ちてから、どもりが治ってしまったそうだ。
だから戦前のことを少しでも知っている世代は、「国家のために死ぬ」ことがなんとなくわかっているんだよ。
イーロンマスクさんも、露出が多くなってきたけれども、自分の会社のためにやっているのか、それともトランプさんのためにやってるのか、この辺が曖昧だからね。
アメリカに国家意識があるのかどうか、というのはやっぱりあるよ。
例えばリンカーン大統領のゲティスバーグ演説を読むと、国家と政府を区別してるんだよ。
そして国家というのは神が作ったものであり、政府は人間が作ったものなんだよ。
だから国家理念を大切にしつつ、その理念に基づいて政府があると考えるのが、正しいアメリカの政治哲学だと思うよ。
これは聖徳太子は17条憲法の第1条も同じだと思うけどね。
和をもって貴しとするの「和」というのは、天から与えられた神聖な理念という意味と考えてもいいと言う研究者もいるしね。
だから、これに逆らってはいけないと、続けて書いてあるわけだよ。
この国家意識は、グローバリズムに対抗するためには、どうしても必要な考えだと思うけどね。