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おんどりの鳴く前に ペテロの裏切りをモチーフにしたルーマニアのサスペンス映画だよ
これは素晴らしい映画だよ。
ルーマニアみたいな国で、こんないい映画を作っていたとは驚きだね。
聖書のペテロの裏切りがモチーフになっている映画なんてそうそうないと思うよ。
聖書では、イエスキリストの1番の弟子であるペテロが、イエスが十字架にかかる時に、3回「こんな人は知らない」と言うんだよね。
そしてイエスが十字架にかかった後で、予言が成就したのを知って、激しく泣き崩れるという話だよ。
その後ペテロは心を改めて、教会のために一生懸命働くんだね。
最後は迫害にあって、逃げ出すんだけれども、そこでイエスキリストにすれ違うんだよ。
そしてイエスキリストに「どこにいかれるのですか」と聞くんだね。
するとイエスは、「お前が逃亡するから、私が代わりに行って十字架にかかるんだ」と言うんだよ。
そこでぺテロは衝撃を受けて、もう一度引き返して逆さ十字にかかって死ぬという話だよ。
ペテロは迫害にあって、死ぬことによって、罪を償うということなんだね。
こんな宗教的な話が、見事にルーマニアの田舎の警察官の欲望と正義の話として描かれているんだよ。
そのストーリーの巧みさには脱帽したよ。
正義と欲望という重いテーマを、しっかりと描けている日本映画は、今あるのか疑問だしね。
これこそ、今の日本人がしっかり見ておいた方が良い映画だと思うよ。