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生きている間には、良いことも、悪いことも起きる 平常心が大切だね
やっぱり人生は、良いことだけが起こるわけじゃないからね。むしろ悪い事の連続の方が多いよ。
能登半島の人たちも、地震や洪水に相次いで見舞われたしね。
アフリカや中東でも、戦乱や飢饉が繰り返し起きているからね。
弱り目に祟り目と言われる通り、一つ悪いことが起きると、続けて悪いことが起きるからね。
だけど、それを乗り切ることができるかは、人それぞれだと思うよ。
やっぱり、悪いことが続けて起きているときに、乗り切っていくための哲学が必要だよね。
それは、「人間は成長を目的にして生きている」ということじゃないかと思うんだよ。
どういうことかと言うと、悪いことが立て続けに起きても、人間としての成長を続けていくことは可能だということだよ。
失敗や挫折、災難から、教訓や忍耐、奮起することを学ぶことで、精神的な成長というのは確実に可能だからね。
むしろ恐ろしいのは、成功が立て続けに続くことだと思うよ。
松下幸之助さんも、成功が続くことほど怖いものはないと言ってるからね。
むしろ3回に1回ぐらいは失敗したほうがいいと言ってるしね。
成功が続いた時に怖いのは、慢心してしまって、気が緩むことだよ。
斉藤ジンさんというヘッジファンドにアドバイスをする会社を経営している人が、面白いことを言っていたよ。
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この人は90年代のバブルの時に、大手の都市銀行に勤めていたみたいだけれども、当時の金融機関は浮かれてしまって、土地担保さえとっておけば、どんなにお金をたくさん貸しても大丈夫だと思っていたと言ってるね。
だけど、バブルが崩壊して、土地価格の下落というのが始まってみたところが、慌てふためいて、貸しはがしをやるようになったからね。
それでこの斉藤さんは、嫌気がさして、アメリカに逃げたと言ってるね。
今の中国で起きている不動産バブルも全く同じことだよね。
結局、どの会社に、どのぐらいお金を貸すのが適正なのかが、わからないんだよ。
そんなときには、やっぱり、対象となっている会社の社長を見て、その人の人間としての成長度に比重をおいた方が良いだろうね。
人間性の高い人は、失敗しても立ち上がってくるし、成功が続いても慢心しないからね。
それで、人間性が高い人というのは、どうやって見分けるかが大事だよ。
そんな時は、やはり古典をひもといてみることも必要だと思うんだよね。
人間性の高さについて、論語にはこんなことが書かれているよ。
子曰わく、その身正しければ、令せずして行なわれ、その身正しからざれば、令すと雖も従わず。
現代誤訳するとこんな感じだよ。
先生がいわれた。政治家の姿勢が正しければ、命令をくださないでも実行される。政治家の姿勢が正しくないと、 いくら命令をくだしても国民は服従しない。
これを会社に当てはめてみれば、その会社が成長するかしないかは、社長に徳望があって、黙っていても、社員が自発的に働く会社だということだよね。
だから、社員に「社長はどんな人ですか」と聞いてみればいいんだよ。
社員が「やり手です」とか、「金にがめつい人です」みたいなことを言っているようでは、そんなに将来性は期待できないね。
反対に「人間として尊敬できる人です」とか「社長の理想に心から賛同しています」みたいなことを、異口同音にみんなが言うようであれば、お金を貸してもだいじょぶじゃないのかね。
社員が尊敬できる人と言うのは、良い時でも、悪い時でも、人間としての正しさを見失わない人だろうからね。
そういう人を聖人君子と言うんだろうね。
人生の中で、良いことが起きている時も、悪いことが起きている時も、平常心を失わずに、淡々と自分を磨いていけるようになりたいものだね。