展示戦車
駐屯地へ行くと駐屯地内に戦車が展示されているを見たことがある人も多いと思う。
かつては61式戦車とかが多かったが、いつの間にか61式戦車は処分され消えて74式戦車や90式戦車が展示されていたりする。
戦車部隊のある駐屯地の展示戦車は塗装も他の駐屯地に比べてきれいで姿も佇まいも現役時代とそう変わらない老戦車が休息している感じがする。
しかし・・・戦車部隊の無い駐屯地に展示されている戦車は錆びだらけで塗装も整備もされることがなく、酷い有様で見るに耐えない。
なんでそんな仕打ちをするのかと憤りすら感じてやまない。
そんな駐屯地に戦車を展示用に置くなよとさえ思う。
そこの駐屯地の心が見えるようで醜く嫌な感じがするのは元戦車乗りとしての性である。
武器学校のある土浦には他の駐屯地でも観られることのない戦車が展示されている。
旧軍戦車から米軍貸与時代の自衛隊戦車だ。
ただ・・・何度か行ったけれど薄気味悪いのだ・・・・。
戦車だが・・・死体のような・・・解剖されて放置されている感じしかしないのだ。
愛車心も無い武器科に「検体」で出された戦車の遺体のようで・・・なんか悲しくなるのだ。
そんな気持ちがしてしまうのだからしょうがない。
かつて、その戦車に乗り戦ったり訓練で汗を流し共にした戦友を他職種に渡れば物としか扱われない。
展示戦車も他職種だとそんな扱いで錆びだらけになっても「可哀想」とはこれっぽちも思わず汚い戦車くらいにしか思わないのだろう。
かつて私が居た駐屯地には61式戦車が常設展示されていた。
戦車部隊もマーキング「士魂」が描かれており、大隊長は「士魂の戦車は我大隊の戦車である」と雪が降ると61式戦車の除雪を行った。
放置すれば雪に埋もれてしまうからね。
その61式戦車の場所を取って邪魔だといつの間にか駐屯地から消えてしまった。
悲しい・・・・、そういう扱いをするのも自衛隊だ。
現役時愛車精神を叩きこまれた戦車乗りには、戦車が用済みなったら廃棄して溶鉱炉行きになったり常設展示で錆びだらけになる姿を見るのが酷く辛いのだ。
現役の自衛官よ、常設展示された戦車にかつて乗って訓練に励み愛情深く愛車心をもって接した戦車乗員が居たことを知って欲しい。
そして大事にしてやって欲しいと願うばかりだ。