小さい頃は伝記を読んだね 豊臣秀吉、織田信長、野口英世、夏目漱石とか、二宮尊徳、キュリー夫人、ベートーベン 何回も読んだよ、好きだったから、伝記が だから、自然と歴史が好きになったよ、でもね 兄貴が、読み出したんだよ、漫画を 「キャプテン」だよ、ちばあきおの単行本 同じだよ、兄貴と俺は、好きになったよ「プレイボール」も そしたら今度はね、兄貴は「しろばんば」って言う小説を読んでたんだよ そう、俺も読んだんだよ「夏草冬濤」、「北の海」井上靖から始まったんだよ、俺
なぜ こうなるのだろう 問いかけるたびに 声は空へ消える どうして そうなったのだろう 胸の中の答えは いつも影の中 風は何も語らない ただ無情にすぎ去っていく 残したものは なまあたたかい匂い 記憶をかき乱すような 消えそうで 消えない残像 手を伸ばしても掴めない 形のない痛みが 胸の奥をこすり続ける けれど、いつかはきっと この風も静かになる日が来る 問いを抱えたまま また、新しい風が吹くまで #私の作品紹介
つまづいて 一歩ずつ 僕は足を引きずってでも そこに向かう 行き先なんて、他にない そこに行くことでしか 僕は僕を表現できないんだ 傷ついた足跡を 無理に隠そうとせずに ただ、その先へと進んでいく そうか 結局、僕は 生きていた証が欲しいだけなんだな ただそれだけ 頷いた僕の目の奥に 小さな光が揺れていた 希望と呼ぶには まだ、微かな光だけど それでも確かに ここに在ると感じたんだ #私の作品紹介
その一歩を懸命に踏み込む 後ずさりしそうな気持を 何とか持ちこたえようとする 顔はゆがむ 頬が軋む それでも足を前に進ませようとする だれが、なにが それを阻もうとする 価値観か、軋轢か 振り返らない それをしなくても想像はできる 朝陽はそこには射さない だれにでもわかる ずっとここにはいられないんだ 進むことでしか 私たちは存在を証明できないんだ #私の作品紹介
情報に溢れている 私は、ネットのない時代とある時代を経験している 情報量は格段の差がある コスト的にも差がある それがいいとか悪いとかではない 世代間のギャップを問題にはしない 情報の報の意味はなんとなく分かる 報せるの報である それでは、情報の情は何だろう Oxford Languagesの定義では 《名・造》 人間の心のはたらき。こころ。きもち。意地。 2. 《名・造》 快・不快を主とする意識の主観的側面。 「情に感ずる」 と、ググると出
なるほど、そういうことかと この年になるまで知らないかったことに遭遇する このことを若い時に知っておけば、と 残念な気持ちになることも、ややある そのかわり、年をとっていると いやそれは違うな と、思うことも中にはある 例えば、わが県の名前 愛知 大概の人が、愛を知ると、意味を考える 私も暇だから、若い頃考えた なぜ、ここで、愛を知るんだと 愛を知る県はここでなくてもよいのではないか。 愛知は地名ではない、 知を愛す、ことなのかと、若い私は考えた。
来た道を もう一度 振り返り その心境を探る その時俺は 何を見たか そして 何を見ていないか 見ていたのは 君の髪 見ていなかったのは 自分の立場 #私の作品紹介
隙間風が入る 昨日までは心地よかったが 今日は肌寒さを感じる 音はしない 隙間風の音でも聞こえそうだ エアコンのリモコンを取る 流石に冷気は要らない ピッというリモコンの音で 貴女は肩を揺する まだ、首は下に向けている 長い髪のせいで表情は覗けない ”もう、帰っていいよ” 彼女に言う その足音に未練が纏う 玄関ドアが閉まる音に 視線は釘付けられた 隙間風が心に染みた #私の作品紹介
芸人はいない 勘違いしてる人は大勢いる むかし、三十年以上前 名人は、今、いない、と言っていた人がいた その人は、芸界の中でと区切っていた いまや、芸人はいない 人を笑わせる人はすごいと思う たしかに、人の感情で一番出にくいらしい それをなりわいにしている人は尊い でも、いまや、芸人はいない そうしたのはテレビで、それに乗ったお笑いの人達の責任もある 況してや、名人などそだたない それは、私たち観衆達の責任もある 芸達者な人たちは、芸人である いま
ずっと寝ている感覚だ ずっと寝ていたい感覚でもある どちらが夢の中なのか 分からなくなることもある どちらが現実なのか どちらも現実ではない感覚になることもある どの現実が私の時間軸に合ってるのかわからなくなることもある どの現実も私の時間軸に合っていない感覚もある どの地面にも踏みしめていない足がある どの地面にも踏み込める足を持っていない 頭の中なのか、心の中なのか、それとも胎内なのか その全てが、そのどれもが 実は自分の選択次第なのである #私
自分にだってできると思う その人ができて、私ができない理由を探る 多分、私にはどうしようもできない理由で、私にはそれができないとため息をつく それの繰り返し 頭を両手で支える 何故なんだと地面に向かって叫ぶ 蛇口から水が漏れる音が聞こえる また、違うアイディアが浮かぶ #私の作品紹介
あさははれてよいやみにかえる そこにたつものはたれかとたずねれば なはわすれましたといふ もしやわたしのしるひとではないですかとえば へんじもせずにせをむける おいかけるゆうきもなく ただせをみいるのみ よいやみにおきてあけぼのにかえる あさつゆをのがれてのきしたにいるととうものあり そこにいつまでもたれをまっているのじゃ いつぞやのあけがたここにたっていたおなごをまっている おこたえたがそれをきいたおばあはまたたくまにけわしいかおに (今昔物語を読ん
ああ、何も感じていなかったよ 今朝起きて ここに来るまで 何かを感じることはなかったよ 吸って吐く 自分の呼吸にさえ それを感じるのに時間がかかったよ 夢を久しぶりに見たよ 何処まで行っても 誰にも会わない夢 何の意味があるのかはわからない そもそも、意味はあるのか 心臓を打つ音が聞こえる 何も感じなくても 自分の存在は消せない あんなに、探しても誰もいなかったのに 現実の人の多さに 息を抜く暇もない
いつものように、じっとしている 背中が丸くなるのを感じる それも仕方ないかと頷く 火垂るの墓とか ノーベル平和賞とか そういうレベルのものであろうか 反戦は謳っていないのである 消したい感情は山ほどある でも消すにはまだ、本当の喪が開けていないのである そこにはまだ魂が残っているんだよ その呻き声が聞こえないか、日本人なら 聳え立つ過去の偉人たちを超えられないのは いつの世代も同じなんだろう #私の作品紹介
羽が綺麗に見えるよ、今日は特に 彼が、いつもより気さくに話しかける 朝に私を見たからよ そう、夜にしか会いに来ない彼だ 夜にしか羽を見せない私に 朝の羽が綺麗だという 皮肉なのか あなたのツノも、いつもよりいい匂いよ 私が言うと、 朝露に濡れると匂いが増すのさ 彼が言う もう時間が足りない 太陽が直に出てくる #私の作品紹介
評価経済への反逆:真実を見失うな! 今、この社会では、評価が数値として、単なる「いいね」や「フォロワー数」という形で、人々の目に見えるところに溢れている。評価経済と称されるこの風潮は、一見自由な表現の象徴に見えるかもしれない。しかし、それは偽りだ!我々は今、自由の名の下に、横暴な価値の崩壊を目撃している。 本当の評価は、決して表に出るものではない!真に価値あるもの、深い知識や専門性は、その道に精通した一握りの者のみが見極め、守り続けてきたものだ。それが表面的な評価によって