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詩 ある病者の信条 の紹介

ネットで読んで、手元に置いておきたい詩を見つけた。私は、これをプリントアウトした。

こちらにも記しておく。

日本ホリスティッククリニック

ニューヨーク州立大学病院内のある詩「ある病者の信条」 (2018/10/22)

投稿者: horistic1

 統合失調症をお持ちの患者さんから、「私の願いは、もとの健康な状態になることです」と言われました。
 これに対して、返答する言葉に本当に窮しますが、「リカバリー」という言葉を紹介し、その言葉に対する私なり考え方を伝えました。

「うつ」は、ほぼ治ると言われていますが、「統合失調症」については、今の医学水準では、完治という状態ではなく寛解という表現がされるように、再発を予防しながら病気と上手につき合っていくこととなります。さらに、これまで再三取り上げてきました「リカバリー」をゴールにしてほしいと思います。リカバリーとは、うまくコントロールしながら社会的復帰をし、人々が暮らし、働き、学び、地域活動、社会に十分に参加することができるようになるプロセスとも言えます。
 
 「もとの健康な状態」をゴールにするのではなく、病気を通して、豊かな感性を身に付け、単線的な価値観にしばられるのではなく、複線的な価値観を構築して、健康な時以上に豊かな人生を送れるチャンスと考えてもらえればと思います。

 以上のように書きましたが、実は、その患者さんと会話したのち、週末を悶々として過ごしました。そんな時、約8年前に読んだ本にある詩を思い出しました。この詩の世界も「リカバリー」を現していると実感したからです。

 みなさんは、この詩をどのように受け止められますか。

         ある病者の信条

大きなことを成し遂げるために
力を与えてほしいと神に求めたのに
謙虚さを学ぶようにと、弱さを授かった
より偉大なことができるようにと、健康を求めたのに
より良きことができるようにと、病弱を与えられた
幸せになろうとして、富を求めたのに
賢明であるようにと、貧困を授かった
世の人々の賞賛を得ようとして、成功を求めたのに
得意にならないようにと、失敗を授かった
人生を楽しもうと、たくさんのものを求めたのに
むしろ人生を味わうようにと、シンプルな生活を与えられた
求めたものは何一つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられていた
私はあらゆる人の中で、もっとも豊かに祝福されていたのだ

(ニューヨーク州立大学病院医療センター内ラスク研究所ロビーのレリーフより)
神渡良平著「中村天風『幸せを呼び込む』思考」講談社から引用

これを読んで、私は何を感じるか、あなたはどうですか。

得たものは、必ず失う。

これは、定めであり法則。あらゆることに通じる。

多くのものを失ったことで、街の片隅に追いやられた。悔しい思いをしたし、辛い現実に直面した。

しかし、失ったことで見える景色が確かにあったのだと最近になって感じられるようになってきた。

平凡とかシンプルな日常に感謝します。

偉大さとは、自然とは、豊かさとは、幸せとは、生きるとは、、、。

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