金平糖【織田信長/明智光秀】-天下統一 恋の乱- ✎

※ヒロインの名前は共通して『陽菜』です










城内は異様な熱気と喧騒に包まれていた。

(何なのだ?居心地が悪い)

俺は苛立ちを隠さぬまま、厩へと足を運ぶ。

「御屋形様?どちらへ?」

(ちっ…面倒な奴に見られてしまった)

「光秀、城内が騒がしいが何事か?」

「天下統一 恋の乱 華の章が本日目出度く十周年を迎えるとのことで、宴の準備をしております」

「ふん…くだらぬ…」

そう呟いた後、名案が頭を過ぎった。

「十周年を祝うと言うのなら、金平糖を十粒食らっても問題あるまい」

俺は懐から金平糖の入った巾着を取り出し、中を探った。

「………」

しかし肝心の金平糖はひと粒も見当たらない。

舌打ちをしながら忌々しそうに巾着を懐に押し込む。

その様子を見ていた光秀がクスリと小さな笑い声を漏らした。

「何がおかしい?」

「いえ…何も」

「今笑ったであろう!」

苛立ちを光秀にぶつけると、光秀はいたって冷静な面持ちで俺を真っ直ぐに見つめた。

「十周年と言うことは、御屋形と私の関係も十年が経ったと言うことになります」

「それがどうした?」

光秀は懐に手をやり、薄紅色の巾着を取り出した。

「そろそろ尽きる頃だと思ったのです」

うやうやしく差し出された巾着の中には、色とりどりの金平糖がぎっしりと詰まっていた。

「陽菜も御屋形様に甘いようですね。巾着がはちきれんばかりに金平糖を詰め込むとは」

出来たてなのであろうか?金平糖はまだその身から温もりを放っている。

「あまり食べ過ぎないようにお願いします。今晩は陽菜が腕を奮って馳走を用意していますから、金平糖で腹が膨れたとあっては…」

「祝いの日まで説教とは…まったく…本当に頭の固い奴だ」

俺は金平糖をひと粒ガリッと音を立てながら噛み砕いた。










ꔛ‬𖤐

天下統一 恋の乱 Love Ballad 華の章 十周年

おめでとうございます(*ˊᵕˋ*)੭ .•*¨*•.¸¸♬🎉🎊

この目出度き節目に立ち会えた事を嬉しく思います

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