Web関連エンジニアと米国株投資の相性
これは「mhidakaが建立した Advent Calendar 2023」の23日目の記事です。
「年齢を重ねると、話題が健康と投資の話になりがち」と、どこかで聞いたことがありますが、ここで書く話も例に漏れず投資に関する話です。端的に言うと「Web関連エンジニアは米国株投資と相性が良いのでは」って話です。肌感的に理解している人も多いかと思いますが、折角の機会なんで少し掘り下げて書いてみます。
技術習得のため情報収集する日々
Webなど何かしらソフトウェア開発や運用している方は、日頃からインターネットなどから欠かさず情報収集している方も多いでしょう。私もそうです。私の場合はX(旧:Twitter)で情報を知ることが多いので、情報収集というよりは勝手に集まってくる感覚なのですが。
そこで入ってくる情報は、具体的には「Z社のクラウドサービスでYYという機能が追加された」といった新サービス、新技術の話題が大半です。ただ、そのような技術系の情報を収集していると、いっしょに技術以外の企業動向の情報も入ってきます。たとえば「Z社のYY事業責任者として、元B社マネージャのCさんが就任」みたいな情報ですね。
このような企業の内部事情的な情報が単体で入ってきても、あまり役に立たないですが、そんな情報であっても日々蓄積すると業界や特定企業の今後の方向性がおぼろげながら見えてきたりします。「Z社はYY領域に力入れているな」「将来的にはYY領域や、その先にあるXX事業にチカラを入れていくようだ」とかそういったやつです。このあたり思い当たる方も多いでしょう。
興味のままに行動へ移した結果
企業動向の話はさておき、そういった新しい技術系の情報が入ってきて、既に利用できる環境があった場合、好奇心旺盛な人だと「じゃあ、ちょっと触ってみるか」と、サービスを軽く使っていたりします。
そのように日頃からさまざまなサービスをつまみ食いしていくと、世間でこのあと確実に流行る技術にかなりの確率でぶち当たります。その技術を世間に先行して深く習得すると、社内での技術的評価が上がる、転職先に困らないなどとなり、収入へとつながります。
情報を技術習得以外にも活かす
インターネットで得た技術情報を活かす方向を少し変えてみます。同じ情報を得ても、人によっては「Z社がYY領域に力を入れるのか」「他社の動向をみててもZ社のYY領域のビジネスは一歩先を行っているな」「だとすると、この先Z社の株価が上昇するのでは」と考えていたりします。
こういった情報収集や市場予測は、エンジニアでなくても一般投資家の方もできますが、エンジニアのスキルを活かして取得する方法があります。
プログラミングスキルや経験を元に新しい技術に触れることで「Z社のYYサービスを実際に使ってみたが、これってイケてるから将来幅広く利用されるのでは」「将来、こぞって多くの企業に利用されるのはほぼ間違いない」といった感想・感覚が一次情報として得られます。
その直感が的中し、実際に株価が上昇するかまでは分かりませんが(株価が上がるには、いろんな要因ありますからね...)、少なくとも他所から集めた情報を元に投資(その企業の株式を買う)するよりは、自分の経験や感覚を元にしたより確度の高い投資判断であり、納得度の高い投資であると考えてます。
こんな感じで日々の情報収集や技術習得は、自分の市場価値をあげるだけではなく投資やビジネスにも役立つんじゃないかなーと思っている次第です。
10年前のNVIDIA
抽象的な話ばかりしていてもピンと来ないでしょうし、ここでは過去の事例を挙げてみます。
ここで取り上げる企業は謎の半導体メーカーNVIDIAです。みなさんご存じのとおりNVIDIAはAIの需要によりここ数年売り上げを伸ばしている企業です。株価でいうと10年前と比較して100倍以上で、10年前に買っておけばよかったと悔やまれる銘柄のひとつです。
コンピュータで利用されている半導体を開発・販売している企業には、NVIDIAの他にもIntelやAMDなど多数ありますが、なぜNVIDIAが一人勝ちみたいな状況になっているかというと、その理由の一つがCUDAと呼ばれるGPUをプログラマブルに処理できる環境の存在です。
エンジニアだから得られる感覚
ちなみに10年前にはCUDAは既に存在しており、CUDAの存在や実際に使ってみてどんな開発環境なのかをプログラマーなどエンジニアであれば触って試すことができました。事実、実際に触ったことがある方も多いでしょう。
CUDAが現在のようにAIでバリバリ使われる事までは予想できなかったでしょうが、GPUによる並列処理環境としては当時のCPUと比較しても遜色ない性能が出ることは知られていました。
このような「CUDAという開発環境が存在する」「スパコンが得意としている並列処理ができる環境がPCでも構築できる」という事実は、実際にCUDAに触れたことがあるエンジニア以外にはなかなかピンと来ないでしょう。一般的な投資家であれば、技術の名称や概要の理解程度のみで、その技術がどの程度、将来社会的インパクトを与えることができるかなんてことは、見当も付かないでしょう。
一方、エンジニアであれば実際に技術に触ってみて「その技術がこの先様々な領域で使われていきそう」とか、業界動向を長年みてきた経験から「将来業界や会社がその後どのように変化するか」が見えたりします。そんな経験が得られることが一般投資家に較べてエンジニアが米国株投資に有利な点だと思っています。
投資の話をいったん横に置いておいたとしても、新しい技術を学ぶ事自体が技術習得であり、エンジニアとしての市場価値の向上に繋がるのは先にも述べたとおりです。技術習得して何か損になる事はないよ、ってことですんね。
NVIDIA以外に投資先ってあるの?
ここではNVIDIAを取り上げましたが、米国株の市場ではNVIDIA以外にも、みなさんがよく知っているハイテク企業が多数上場しています。いくつか取り上げてみます。
まずは言わずもがなの、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)ですね。
半導体企業としてはIntel、AMD、Qualcomm、armなどあります。そうそう、熊本で工場を建設しているTSMCも上場しています。
ソフトウェア企業としては、IBM、Oracle、Adobe、MongoDB、Oktaなどがあります。
これらの企業のサービスを利用せずに仕事することは、ほぼないでしょう。使っていると必然的に情報も入ってきますから、それらの企業が、何をしていて、この先どのようになっていくか想像しやすいでしょう。
さいごに
このようなハイテク企業は、これまでの米国市場を牽引してきた業種であることは明白であり、今後も成長が期待される業種です。もしその市場で、次のGoogleと呼べるような企業を見つけ、幾ばくかの資金を投資しておくと10年後には投資したお金が何十倍となっている可能性は十分あります。
そんな感じで情報収集していくと、これまでとは違った角度で情報を見ることができ、その結果としていいことがあるんじゃないでしょうか。あるといいなぁ。
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