第35回東京国際映画祭チケット争奪戦の感想
秋の風物詩「東京国際映画祭チケット争奪戦」が10/15(土)に開幕した。東京国際映画祭のチケット取りはサーバーに繋がらないことで知られており、多くの映画ファンを焦燥の渦に包み込む。2016年のチケット問題以降、少しずつ対策はされているものの、やはりユーザ側からしたらストレスが溜まるものである。改善点された部分も踏まえながら2022年のチケット取りはどうだったか感想を書いていく。なお、本記事はあくまでチケット販売システムの挙動をみた憶測記事となっているので、技術として実際はどういう実装になっているのかの保証はしません。話半分に読んでいただければと思います。
1.スーパーリロードが無効化される世界
いろんなチケット争奪戦に参加した方はご存じだと思うが、この手の戦いではスーパーリロードをしようすることが定石だ。通常、サイトにアクセスするとキャッシュという入れ物にそのサイトへアクセスしたことが保存される。一度、アクセスしたサイトへスムーズにアクセスできるのはこの保存データが使われている。しかし、チケット取りの場合、「只今、アクセスが大変集中しています。」とメッセージが書かれたページに飛ばされることがある。そのページで再度ロードかけても、「只今、アクセスが大変集中しています。」のページに対してロードをかけてしまっているのでいつまで経っても、チケット購入画面に辿り着けないのだ。
なので、
(Windows)
Ctrl + F5
(Mac)
Cmd + Shift + R
を押してスーパーリロードを行う必要があるのである。これを行うことで、ページを開き直す挙動となり、チケット購入ページへアクセスできる可能性が上がる。
昨年までの東京国際映画祭では、スーパーリロードを行うと、URLの最下層にある文字列が次々と変わっていった。恐らく、ユーザがアクセスするごとに文字列を発行し、チケット購入のページへと振り分けていたのだろう。しかし、今年はスーパーリロードしても文字列が変わらない仕様に変わっていた。スーパーリロードを連打することで文字列生成に負荷がかかると思われる。特に転売ヤーがシステムを組んで購入するとなると膨大な負荷がかかって、本来買いたい人にまでチケット購入ページを渡すことができなくなってしまう。
なので、従来通りの戦法が使えず、作品案内の一覧から該当の映画をクリックし直す必要が発生した。
2.性別表記の改善
購入画面に遷移すると、個人情報を入力することとなる。チケット争奪戦の前にTwitterではプレス登録のページにおいて性別が「男女」しか選べないことが指摘されていた。この問題に対して事務局は迅速に対応した。これはチケット購入ページでも適用されており、「回答しない」が実装されていたことは良いなと感じた(昨年も実装されていたらすみません)。
3.転売ヤー防止(?)のQRコード発行タイミング
昨今のイベントでは、転売防止のための施策だろうか、チケット購入が完了してもすぐにはQRコードは発行されない。今年の東京国際映画祭では、鑑賞の24時間前に[照会URL]からQRコードを取得する必要がある。確かに転売防止には役に立つかもしれない。しかし、月末の通信制限がかかる人が発生する時期にこれを行うことで、チケット出しに手間取って入場が遅れる問題が起きる可能性がある。ただでさえ、東京国際映画祭は遅刻者が多く治安が悪いだけに不安な要素である。
4.見辛くなったチケット
昨年とチケットサービスの会社が変わったのか、メールで送られてきた情報のフォーマットが異なっている。比較すると分かるのだが、今年は可読性が下がっている。重要な情報が太字になっていないので、何の映画のチケットなのか、いつの上映回なのかがパッと分からない。しかも、「注文日時」という必要度の低い情報が上に書かれているため、混乱の元となる。
ユーザが知りたい情報は「上映作品」「上映日時」「上映場所」「QRコード」で十分なはずである。可読性が低下したことで、上映ギリギリに入場する状況でチケットが表示できず遅刻が発生するリスクがある。映画のチケットは必要最低限、重要な情報は太字にすることが重要であり、昨年のフォーマットの方が良かったと言わざる得ない。
5.同志と挑むチケット争奪戦
今年はスペースが普及したこともあり、Twitter上での総力戦となった。リアルタイムで売れ行きが報告されていく。チケットが購入できない人がいたら、誰かがリカバリーに入る。私は3本しか取らなかったので、スペースの雑談役、チケット代行者として動いた。
6.過酷な2回戦目
ここ数回の東京国際映画祭では部門毎、複数の日程でチケット購入が行われた。映画好きにとって週末は映画を観に行く訳で、その貴重な休日をチケット取りに費やす。それも複数日ということで私含め、多くの映画ファンのフラストレーションを溜めた。今年は1日に集約されており、10時の回と13時の回に分かれていた。前者はすんなり15分ぐらいで終わったのだが、後者が大変出会った。1時間経過するまで全く作品ページに辿り着けないのだ。辿り着けたとしても、画像もボタンもなく先へ進めなかったりするのだ。スペース上でも「繋がらない」と悲痛の叫びが木霊していた。結局、90分程かけて必要なチケットが取れた。例の如く、映画祭サイト全体でアクセス管理しているので、稲垣吾郎映画『窓辺にて』など人気作品がある後者の方が苦戦した印象がある。他のコンペ作品は、アクセスしてみれば比較的空いていたと思う。
総括
今年は個人的に、ここ数年に比べたら対策もされており改善はされたかなと思った。しかし、ユーザ側に立ってみると転売ヤー対策など関係ないことで、スムーズにアクセスできることが重要だ。映画に熱いファンだから毎年付き合っているのだが、正直毎年ドッと疲れることには変わりない。ここが改善されるといいなと思いながらまた来年も挑むとしよう。