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占いのセカンドオピニオンを受けてきた話

セカンドオピニオンとは、患者さんが納得のいく治療法を選択することができるように、治療の進行状況、次の段階の治療選択などについて、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることです。

東京都保健医療局より引用

皆さんは、セカンドオピニオンを使ったことはあるだろうか?一般的に、病院での診断に納得がいかない場合に、他の病院で受診し、モヤモヤを解消する役割を果たす。今回、私は「占い」のセカンドオピニオンを受けに新宿マルイ本館7階にある「鳳占やかた」へ友達と行ってきた。


1.占いのセカンドオピニオンへ行くきっかけとは?

なぜ、私は占いのセカンドオピニオンを受けようと思ったのか?

時は、先月末。インド旅行に行ってきた。今回の旅行はガイド付きの個人ツアーを申し込んだ。しかし、旅行会社が手配してくれたガイドがあまり良くなかったのだ。私は、世界遺産検定マイスターに合格したこともあり、世界遺産に関する専門的な話を聞きたかった。

△インドの世界遺産に関する話は動画でもしました。

実際に、今回のツアーではタージマハルやジャンタル・マンタルなど9ヶ所の世界遺産を巡ることもあり期待が高まっていた。しかしながら、ガイドに取って世界遺産は興味なく、いかにガイドを早く終わらせて、マッサージ屋や宝石屋へ案内し、マージンを懐にせしめることしか考えていないような方であった。

△生々しい詳細は、有料note「インドでハラスメントに遭った話」に書いた。興味ある方は、購読してみてください。

彼には「運命(カルマ)」という名のシナリオを持っているようで、このツアーは「宝石屋」に続いていた。執拗に、「カノジョはいるのか?いつ結婚するのか?」といった質問を投げかけ、「あなたの運気が下がっています。悪い気を抜きましょうを」と勝手に1万5,000円するアーユルヴェーダを予約し始めた。その次に、ガイドが身につけているダイヤモンドやサンゴの指輪を見せびらかし「インドは運命の国、インド人は皆、指輪をつけている」と語る(車窓からインド人の群れを見るも誰もつけていない)。そして、「あなたもインドに来たからには宝石を買うべき」と豪語し、私のラッキーストーンを決めるための占いを受ける羽目となった。4,800円である。

che bunbunの脳内ヴィジョン1
che bunbunの脳内ヴィジョン2

私に拒否権はない。脳裏には、恋愛シミュレーションゲームのイメージが浮かんだ。選択肢はふたつ「はい」、そして「はい」だ。

こうして、受けることとなった。占いは所詮、昔の統計学だと思っており、確率的に当たっていそうなことをたくさん並べてクライアントとの信頼関係を構築する中で、内容に対する信憑性を高めていくものだと考えている。私の前に現れた占い師も、「あなた、目が悪いですね」と顔を見れば明らかに分かることを語り、信頼関係を結ぼうとしながら、様々な助言を述べていた。そして、私のラッキーストーンはエメラルドとオパールだと言い放った。

高ぇじゃねえか!?

元々、あまり目の前の占い師のことは信じていなかったのだが、ラッキーストーンを伺った時、私は完全に彼のことを信じられなくなった。全ては、宝石に続いている。私に、非常に高価な宝石を買わせる口実に過ぎない。そう思ったのだ。

帰国後に、旅行会社へこの件のことを報告した。その結果、その旅行会社がオプションツアーとして持っていなかった占いだけ返金対応となった。ここで、ふと思った。

「占いのセカンドオピニオンを受けよう!」

インドで行った占いは、手相と算命学であった。もし、正当な占いであれば、少なくとも手相は一意に結果が紐づくはずである。鉄は熱いうちに打て、早速動き始めた。

とはいっても、占い事情に疎い。こういう時は、有識者に訊くのが一番である。友人にLINEで訊いてみた。彼女の調査によれば、占いの大御所に「新宿の母」「銀座の母」がいるらしい。前者の栗原すみ子氏は5年前に亡くなっていた。後者、横田淑惠氏は現役であり、診断料5,000円ぐらいとのこと。他にも幾つか候補を調べてもらった。しかし、日程が合わなかったり、女性だけしか受け付けていなかったりとなかなか良い場所が見つからなかった。自分でも、調べてみたら新宿マルイ本館に「鳳占やかた」が入っていた。横浜中華街や新宿を中心に店舗を構えるチェーン店で、手相+算命学のプランは税込3,300円と廉価にて受けられるとのこと。予約も不要で、ふらっと入れるようだ。キミに決めた!?

原則として「鳳占やかた」は撮影・録音はNGとなっている。
特別に許可をいただき友人に撮っていただいた。

さて、30歳独身男性がふらっと休日に占い屋へ入る。このイメージがつかなかった。割と自分は、おかあさんといっしょやアンパンマンの映画をひとりで観に行く強メンタルだとは思っていたが、ひとり占いはひとりディズニーレベルにハードルが高い。そこで、友人に付き添ってもらうことにした。自分のことをよく知る人と一緒に受けたら客観的に占いの信憑性を計測することができるだろう。というわけで、前置きは長くなったが、占いのセカンドオピニオンの内容について入っていく。

2.デジタル化が進む占い業界

△ヒトの色が見える私の『きみの色』評

今回担当していただいたのは、中瀬氏であった。毎週月曜日と土曜日に、ここ「鳳占やかた」新宿マルイ本館店で占いをしているとのこと。現在公開中の映画きみの色の主人公同様、私はヒトの色(オーラ)が見える。まず、中瀬氏のオーラを確認したのだが、鮮やかな水色であった。信頼できそうな色だった。

占いといえば、カードを並べたり紙に図形を描いたりしながら助言をするアナログなイメージを持っている。しかし、最近の占いはある程度、デジタル化されている。インドでは、占い師がスマホを取り出し、私の生年月日や出身地を打ち込み、出力された結果を基に図を描き始めていた。先日観た、ナポリの占い師を扱ったドキュフィクション『Wishing on a Star』でも、パソコンを観ながら、クライアントの行くべき場所を特定していた。

占いのレポート。 30分でこれだけ書き込まれる。

「鳳占やかた」では、入り口で生年月日や住所を記入すると、専用のシートが出力される。担当者は、これに書き込みながら助言を行なっていく。占い業界もデジタル化が進んでいるんだなと痛感させられる。

「実は、インドで占いをしてきたのだが、宝石を売る口実にしか思えなくてセカンドオピニオンとして訪れました。」

事情を語る私。

「まあ、面白いですね。任せてください、あなたの運勢を診て差し上げましょう!」

と彼女は手相を診始めた。

診断時間は30分と短い。

サービス精神旺盛な彼女は、刹那の沈黙の後、口を開き、疾風怒濤捲し立てるように語り始めた。

3.手相編

3.1.手相:右手編▷ほぼインドと一致していた件

現実を示す、右手の手相だが、3つの軸から構成されている。まず、生命線だが非常に長いらしい。少なくとも80歳までは生きるそうだ。次に、金運だが、運命線が途中で不鮮明となっているため、金に困ったことのない人生であることを指摘した。最後に、知能面である。知能は非常に高く、理系/文系の中間、やや文系よりに位置しているため、物書きが向いていそうですねと語っていた。

全部当たっていた。

自分は、人生の中で何度も死に近い経験をしているわけだが、なんだかんだ生き延びている。海外旅行をすると、ガイドが空港に来ない、入国審査で別室に連れてかれる、飛行機が不時着する、霊魂に呪われるなどといったトラブルがつきものではあるが、いつもハッピーエンドで帰国する。

金運に関しても、まさしく金に困らない人生を歩んでいる。仕事と私の相性は悪く、まともなアルバイトをしていなかったり、フリーター期間があったりするも、なぜか金はどんどん貯まる一方なので、金策で苦しんだ経験は皆無であった。ギャンブルも興味はないし、マルチに嵌められたことも未遂が2件あったぐらいだ。

高校1年生の時の学力テストで数学の偏差値80を叩き出したことがあった。

知能面に関してはインドでの占いと多少意見が異なるものの、大筋は一致している。インドでは、私は理系であり会計士を目指した方が良いと言われていた。確かに、元々理系の大学を目指していたこともあり、高校1年生の時に受けた学力テストにて数学の偏差値80を叩き出したことがあった。しかし、私はパズルとしての数学が好きなだけで、物理や化学で使われるツールとしての数学は嫌いであった。これは今でも変わらず、応用情報技術者試験で出題される通信に関する計算や純利益などを求める計算は苦手で、捨て問として扱っているところがある。

なので、中瀬氏の語る「物書きに向いている」の方が正解である。実際に、映画ライターとしてWeb記事やパンフレットに寄稿しているし、毎日のようにブログ記事をアップしている人なので的中している。もちろん、自分の職業は彼女に教えていないし、ペンネームであるche bunbunも知りようがない。

3.2.手相:左手編▷なに!?俺がオーラが見えるのなんでわかったの?

インドでは、右手だけ診ていたのだが、彼女は左手も診断してくれた。左手は、先祖から受け継いだものらしい。恋愛のことも左手でわかる。中瀬氏は、「おぉ、これは良いですね」と感心しながら親指の付け根に着目した。溝と溝とが輪を形成している。これを仏眼と呼ぶ。仏眼がある人は感覚に優れており、私の場合、色や香り、味、そして音に敏感だと言われた。

自分がヒトの「色(オーラ)」が見えることを彼女は見抜いたのである。鳥肌が立った。また、嗅覚や味覚に敏感である自覚はあり、映画批評を書くときに時たま「音」に着目する。ここまで的中させてくると、感動してくる。宝石を売りつけるみたいなことは一切ないので安心して彼女に身を任せたくなるものがある。

恋愛に関しては「モテますね、数年以内に結婚する可能性があります。」とのこと。確かに、人生振り返ってみると、女性付き合いは多い方なのかもしれない。学生の頃は、同い年だけでなく、年下、年上といろんな方と遊びに行ったし、身長が自分より高い方とも遊んだことがある。ガールフレンドとしても、今まで何人かと付き合っており、中にはジャマイカ人もいた。気がつけば、女性に囲まれていることが多かった気がする。今は、恋愛も結婚も興味はないと公言しているのだが、時が来たら意外と勢いで結婚するのかもなと思った。驚いたことに、中瀬氏は私が抱える複雑な恋愛観を算命学にて言語化することとなる。

4.算命学

4.1.私の恋愛観から将来を占う

算命学の結果

次に、出力されたシートを基に診断が始まる。残り時間が15分ということもあり、ここから彼女は高速話芸によって、できるだけ多くのことを私に伝えようとしてくる。録音は不可なので、必死に彼女の話に食らいついたので、全部理解できたわけではないのだが語っていく。多少時系列が前後するがご了承ください。

中瀬氏は、私の恋愛事情に関して次のように語っている。

「あなたは女性にモテます。運命の人がこの先2人現れます。ただ、あなたは仕事やプライベートが忙しくて葛藤することでしょう。結婚した場合、3人子どもを授かる予兆があるのですが、この理由により、まあ2人授かるのではないかと思われます。さらに、あなたはパートナーに尽くし、そして子どもには少し厳しい教育をします。」

インドでは「2025/6/14に運命の人が現れ、新しい仕事を始めると共に結婚するだろう。そして子どもを2人授かるだろう。」と言われていたので、おおよそのシナリオは一致していることになる。

自分の場合、気の合う女性がいたら付き合うだろうというのは想像できるのだが、基本的に映画批評や動画制作といった創作活動が全ての優先度の中で最も高い。もちろん、デートをする時にはガールフレンドのことを想って楽しいイベントになるように尽くすのだが、創作活動が忙しいので、基本的に月1ぐらいしか会わず、結果として別れることになることが多かった。創作活動は、なるべく自分の世界に篭りたいので、結婚や子どもはノイズである。そのため、結婚を前提としたお付き合いをする必要がある30代の恋愛はできないな、相手に申し訳ないなと感じており、今は恋愛にも結婚にも子どもにも興味ないと公言している。家族にも「結婚はともかく、子どもは諦めろ」と宣言している。

中瀬氏は、私の性格を「守りな人」と定義し、行動へ移すまでに時間がかかるが、一度決まったら早いと正確に捉えていることから、状況によっては結婚し子どもも授かる可能性があるなとイメージが湧いてきた。

4.2.運気のサイクルを徹底解説

これはインドの算命学

彼女は続いて、プライベート、メンタル、ジョブの3軸から数ヶ月〜数年後の運勢を分析し始めた。

来年あたりから、運が味方し、大きな仕事が来るようになるとのこと。そして、私の場合、仕事はひとつだけではないので、色んなことに挑戦した方が良いんだとか。実際に、私はエンジニアをしながら寄稿をしたりトークイベントへ登壇したりする。最近では、週刊プレイボーイから取材を受けて雑誌掲載された。今後も、面白いイベントが発生しそうな予感は確かにする。

一方で、2027年が魔の年(天中殺)であり、結婚や家を買うといった大きな出費を伴うことは控え、大人しく勉強をしていた方が良いと助言をいただいた。

また、結婚するなら2028~2029年、つまり34~35歳が相応しく。2,3,8,9月に良い運気が流れており、12月に子どもを授かると語っていた。ただし、午年/未年の人とは相性が悪いので要注意とのこと。

4.3.波瀾万丈な人生

算命学はこのように、年月といった「点」としての運気を占うのに長けている。今いる場所を引っ越すべきかどうかといった空間移動的なものは占えないので、インドの占い師の「あなたは海外というよりかは、日本、それも地元に留まった方が良いでしょう」といった診断の突合は行えない。せいぜい「色んなところ転々とするのが好きでしょう。」といった回答しか得られない。

一方で、他にも面白い話を伺える。私は毎年6/6~8/6にかけて悪い運気が流れている。その間に生まれた私は、波瀾万丈な人生を送ってきたと算命学のシートは示しているらしい。いわれてみれば、私の人生はライフモデルがあまりいないトリッキーなものだったかもしれない。

大学では、卒業論文で専攻研究者がほとんどいないデンマークポルノ映画について執筆していたし、社会人になってからは映画ブログが評価されて某映画会社のコンサルタントをすることになったり、突然VTuberを始めたりと道なき道を爆走しているイメージがある。そして、毎年6~7月は気分が落ち込みやすかったり、仕事で困難に直面したりと大変だった気がする。

中瀬氏は、困難がある度に創意工夫でなんとか乗り越えてきたはずと語り、「気づきの人生」を歩んでいるとまとめた。その上で、60歳になった時、私は自分の人生の意味を再確認するのだそうだ。

さらに、先述の通り、金に困らない人生を歩んでいるので、金よりも他者の役に立つような振る舞いをすると良いことがあると締め括った。自分はノブレスオブリージュを信じており、尊敬している人や注目している人が病気や貧困などで苦しんでいる時に、資金や物的援助をすることがある。また、SNSでは積極的に自分の得た映画情報を提供している。このことを示しているのかもしれない。

4.4.ラッキーカラー、ラッキーストーン

インドで診断されたラッキーなもの一覧

最後に、インドの占い師から診断されたラッキー〇〇と比較してみた。

【インド結果】
・ラッキー番号:8
・ラッキー曜日:土曜日
・ラッキー方角:西
・ラッキー宝石:エメラルド/オパール
・ラッキー日:8、17、26
・ラッキー金属:銀
・ラッキーカラー:緑、青、白

鳳占やかた結果
・ラッキー宝石:くすんだ水晶
・ラッキーカラー:水色、グレー

これは大きくわかれた。

宝石BANKによればエメラルドは数万〜数十万円くらいする。オパールはKARAZ STOREを参照すると1万円程度が相場のようだ。

一方で、くすんだ水晶はaucfanで1万円以下でやり取りされているらしい。ガイドは「日本で買うよりも数分の1の価格で買えるから、ねっ、見るだけでも良いから行こう」とずっと、私のことを説得していたのだが、彼の提案するオプションが明らかに観光客価格だったのを受けると、徹底的に断って置いて正解だったと思う。想像以上に、鳳占やかたと一致するものはあったが、結局のところインドの道は宝石へと続いていた、つまり私をカモとして扱い高額な宝石を買わせる口実にしていたんだなと思った。

5.最後に

自分は「色(オーラ)」が見えたり、霊感があったりするのだが、スピリチュアルなものは結構懐疑的な立場を取っている。しかし、初対面にもかかわらず次々と私の人生観や特性を当ててきた中瀬さんの技術力に感動した。彼女はサービス精神旺盛で、「30分」という短い時間の中でどれだけ有益な情報を提供できるのかに情熱を注いでいた。もちろん、傾聴する姿勢もあり、話をしていてずっと楽しかった。

友人も、あまりに私の特性を的中させるものだから、勢いで40分後に中瀬氏を指名して占ってもらっていた。これも、次々と正確に友人の特性を指摘していて、ニヤニヤしながら見ていた。

「鳳占やかた」は人気店らしく、気がつけば5組ぐらいが並んでいた。女性が友達同士で占いを受けているケースが多く、恋愛相談している声が聞こえてきた。

皆さんも、人生に迷ったら占いを!もとい、胡散臭い占いを受けたらセカンドオピニオンを受けてみたらいかがでしょうか?

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CHE BUNBUN
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