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インドでハラスメントに遭った話

こんにちは、チェ・ブンブンです。

2024/8/23(金)~2024/8/27(火)にかけてインドへ旅行してきました。ちょうど9月から会社員に戻るため、その前に海外旅行をしようと探していたところだった。最初はトルコへ行って気球にでも乗ろうかなと思っていたのですが、ちょうど良いツアーが見つからず、範囲を広げて探していたら、インドが燃油サーチャージ込みひとり料金で23万円と破格の安さでした。

世界遺産検定1級勉強時代に知ったジャンタル・マンタル

しかも、このツアーでは世界遺産を中心に巡るものとなっており、以前から興味があった天体観測施設ジャンタル・マンタルも旅程に入っていた。行かない理由がないということで、即決で支払いを済ませ行ってきました。今までに30か国以上旅してきたのだが、今回は史上最強クラスに波乱に満ちたツアーになっていました。

「インドへ行くと人生が変わる」
「インドはハマる人と嫌いになる人がはっきりと分かれる」

と聞いたことがあるのだが、それは間違いないといえる。下調べをすると分かる一癖も二癖もあるインドコミュニケーション。実際に訪れると想像の100倍強烈なものがありました。

タージ・マハルが一番警備が厳重で、物売りはほとんど中に入れない。

自分はツアーで行ったので、正直観光名所での執拗な物売りやレストラン、タクシーなどでのボッタくりはありませんでした。というのも、現在では世界遺産を始めとする多くの観光地で、警備員によるボディチェックが行われ、入場が制限されているからです。特にタージ・マハルは、厳重となっており、ガイドから「貴重品以外持っていかないでください。メモ帳やペンもです。」と強く言われたほどだ。だから、中には多少カメラ野郎はいたものの、全く声はかけられませんでした。

しかし、私のツアーは30分に一度地獄と化すまさしく”Apocalypse Now”だったのです。結論からいえば、4日間ずっとガイドからハラスメントを受けてました。わたしの最も嫌いな「恋愛」トークデッキを使って、延々と営業トークをしてきたのです。今回の旅の目的は世界遺産研究であり、その旨を伝えているにもかかわらず、見るべき場所を勝手に短縮して、時間を余らせて宝石や絨毯を買わせるためのナラティブに絡めとろうとしていました。

無論、旅行会社には一切非はありません。旅行前からe-VISAに関する質問に丁寧に回答してもらったし、今回の件を報告したら、謝罪と共に一部返金となりました。なので、会社名を晒す気はありません。

△インドの強烈な恋愛至上主義/結婚至上主義は他のnote記事でも確認できる。

また、インドが嫌いになった訳でもないことは強く言いたい。正直、今まで行った30か国以上の中で最も恋愛至上主義、結婚至上主義な国なので、わたしのように「恋愛に興味はない」「結婚したくない」「子どもは要らない」といった考えを持っている人は覚悟してインドの地を踏む必要があるだろうし、一時的な滞在ならともかく、長期的に住むには厳しい国だと思う。しかしながら、活気あるインドの街並みやユニークな料理、なによりも歴史や文化交わる唯一無二の世界は刺激的で、史上最も楽しかった旅行であった。たった4日間では到底すべてを見ることができないので、また訪れたいとも思った。今度はハンピの建造物群やダージリン・ヒマラヤ鉄道(トイ・トレイン)、ボリウッドの映画館などに挑戦したいなと感じている。

ただ、ガイドからのハラスメントが強烈であり、書かざる得ないのです。

有料記事ではあるが、わたしが体験した数々の修羅場を書き残しておこう。これからインドへ行く人の参考になればと思う。

△今回は、基本ガイドとの戦いしか書いてないので、学術的な話は有料レポート「世界遺産マイスターによるインド観光レポート」を読んでいただけたらと思う。


プロローグ:トラブルは俺の友達

旅行にトラブルはつきものだ。

私はクレイジージャーニー系の人たちと比べると安全を最優先に考えているので、キューバやジョージアなどといった不安がある国では専属ガイド付きツアーを申し込み、基本的にゲストハウスみたいな安宿に泊まって、バックパッカーたちと交流することはしない。

△ノージョブフドウさんのようなマネは私にはできません。

事前に下調べもするので、スリやぼったくりといった被害に遭ったことはほとんどない。しかしながら、どこか抜けているところがあるので、旅先で何かしらやらかしたり、トラブルが発生する。

■過去エピソード1:『かもめ食堂』のロケ地で逮捕されかける

たとえば、大学の卒業旅行で『かもめ食堂』のロケ地であるウルヨンカツ公共プールへ行った。ここは、性別によって入場できる曜日が異なっている。そこまでは下調べをしていたのだが、曜日を間違えて女性の日に入場してしまった。背が低いことから、入り口で止められることなくプールへ行くと多数の女性がいることに気がつく。「そうか、混浴の日か!」と楽観的に考え、フィンランドの文化に従い、素っ裸で25mプールを泳ぎ切ったら女性スタッフに包囲されていたことがある。

■過去エピソード2:フランスの地下墓地で呪われる

また、高校3年生の夏にフランスへ一人旅をした際、地下墓地カタコンブへ訪れたのだが、ファンキーなお兄ちゃんと一緒にドクロに向かって煽り散らし、私はカピバラさんのぬいぐるみをドクロに食わせて自撮り写真を撮ったら、見事に呪われ、その後約10年間、杉並区にある大宮八幡宮で成仏するまで、旅行するときには必ず大雨か大雪が降る状況となった。

たとえ、雨が降らなそうなモロッコを旅先に選び、飛行機に乗ったとしても、その飛行機は飛ばず延期となり、再度離陸するときには大雪が降っている状態であった。飛んだとしても、途中で燃料が底を尽きパキスタン・カラチにあるジンナー国際空港に不時着する呪われっぷりである。

■搭乗ゲートを間違える

さて、今回は最初から出鼻を挫かれた。2時間前から羽田空港にチェックインし、10:40デリー行きのゲートで待っていた。すると、アナウンスがあり、搭乗ゲートが変更になったとのこと。自分のいるゲートから10分近くある、だるいなと思いながら移動し、さて搭乗することとなった。私はGroup5、つまり最後に搭乗する。ようやく私の番になったと、チケットを係員に見せると、

間違ったゲートでウキウキ待機中のわたし

「あなた、これは違いますよ。48番ゲートに急いで向かって下さい!」

と叫ばれた。そうです。実は同じ時間にもうひとつデリー行きの飛行機があったのです。幸いにも自分の乗る飛行機は30分遅れだったのですが、冷や汗をかきました。すでに嫌な予感がします。

■e-VISA証明で申込用の紙を提出する

そういうことは大抵的中するもので、小さなトラブルが積み重なる。インドの入国審査では観光用のビザを見せる必要がある。当然ながらとっくの昔にe-VISAの申請は通っていたのだが、当日に何を見せるのかが色んなページを見てもピンとこない。どうやら写真付きの紙を見せた方がいいらしいと、専用サイトから紙を印刷して提出した。ところが、聞き取りづらい英語で

「あのぅ、これは申込用の紙なんで、メール画面見せていただけないですか?」

といわれた。これも運よく、メール画面を印刷して持っていたのでことなきを得た。

■両替事件

次に両替である。29USドルと5,000円をインドルピーに変えようとしたのだが、5,000円札、少し傷があるので別のにしてほしいと言われ、10,000円札で対応することとなった。

すでに3件の小さなトラブルがあったわけだが、空港のゲートを抜けてから想像を絶する旅が待ち受けていることをこの時の私は知る由もなかった。

第一章:看板を持たない男に連行される

ツアーでは通常、空港の出口に旅行会社のマークと自分の名前が書かれたカードを掲げたスタッフが待ち構えている。そこにいなければ、電話で呼ぶ必要がある。デンマークへ行った際、飛行機が大幅に遅延し、お迎えのタクシーが帰ってしまったことがあるので対応には慣れている。

さて、今回はどうだろうか?

喧騒とするデリー空港、数名の男がいる。インドでは、正式な旅行ガイドから名前を盗み見し、偽ガイドとして観光客を騙す例があるので、じっくり目をこらす。たとえ、自分の名前があってもすぐには信用しないようにしようと身構えていたのだが、自分のネームボードはそこになかった。たしかに、飛行機の到着は遅れているし、入国審査でも時間はかかっている。帰ってしまったのだろうか?ピックアップポイントを少し彷徨いていると、

「〇〇旅行社の方ですか?」

と横から、ビジネススーツを着た男が現れた。旅先では警戒している方なので、自分の間合いにヌルッと人が入ってくることはないはずなのに、気がつけば間合いを詰められていた。彼はボードを持っていなかった。名前を訊かれたので反射的に答えてしまった。

「行きましょう」

と言われた。彼は正規のガイドなのだろうか?彼の手に持っている紙を凝視する。しかし、情報が書かれた部分は全く見えない。

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