茶酔庵主

中国杭州産。日本在住11年目。大学非常勤講師(中国語)だが、ノート記事は中国語とあまり関係のないことが多い。

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    私の日々の暮らし方について記録するノートです。

最近の記事

音楽の記憶と父親

夢を見た。夢の中で、私は実家のボロボロなピアノを弾いている。 こんなにボロボロになったはずはないのに、なぜかボロボロだ。 実際のところ、私は中国の実家に帰ることも、ピアノを弾くことも、もう何年もしていないのだ。 夢の中に母親も父親もいる。目が覚めたら、昔の光景が思い浮かんだ。 そしてふと気づいた。私は父親がいる前で、ピアノを弾くのが好きじゃない。 ピアノにまつわる小さい頃の記憶の中で、父親はいつもピアノ練習の監視役でいた。クラシック音楽が好きな父親ではあるが、彼自身

    • 学生に共感しすぎて疲れるという話

      期末試験の時期だ。コロナ禍の中で大学非常勤講師を勤め始め、今年で4年目にあたる。一昨年~去年あたりから、対面での期末試験実施も一般的になった。そしたら、期末試験の時間や教室を間違えたから試験が受けられず、自動的に落単する学生が現れる。初めてそのような事態にあった時、私はしばらく自分事のように落ち込んだことがある。 というのは、やはり対面授業はオンラインと違った。一人一人の顔を見て一学期も講義しているから、文字通り「見てきた」子たちだ。出来の良し悪しに関わらず、愛おしく思う気

      • 心身を整えるために食生活を改善してみた

        去年から今年の上半年にかけて、博士論文の執筆や、新規の非常勤講師の仕事などのストレスのため、色々と心身の不調を抱えていました。今年の夏頃、食生活から体を整えろうと思い立ちました。 元々、食生活に対してそれなりにこだわりを持つほうでしたが、博士論文を提出するまで、仕事と論文以外のことを考える余裕があまり持てませんでした。外食が多くなると、自分の本来のペースが保てなくなっていました。 外食というのは、食材・調味料など自分ではコントロールできない部分が多いものです。いうならば、

        • 『春江水暖』を観て、思ったこと。

          『春江水暖』という映画を観た。 この映画を知ったのは、去年の8月だった。地元である杭州近くの富陽という町が舞台となっている映画で、これは観なければならないものだと思った。 故郷を離れて異国で暮らす9年目の春、映画館で『春江水暖』を観た。 しかしそれは感動とか郷愁とかを遥かに超えた、言いようのないやるせなさに襲われる体験だった。 富陽、という町 舞台は大河・富春江が流れる町、富陽。この富春江というのは、実は杭州市の南に流れる、旧暦8月18日の大逆流で有名な銭塘江の上流だ

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