8-5 彼女の花嫁マナーはいろいろと度を越している 小説◆女主人と下僕◆
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もくじ
話は戻ってマーヤの家の、マーヤの居室。
ディミトリがやって来たのは、夜が明けたかどうかの早朝だったのが、今やすっかり明るい日差しが窓から部屋に注ぎ込んでいる。
マーヤの豪華な天蓋のベッドに腰掛けるディミトリ。
(ザレン様の話は、フカシじゃなかった…!やっべえ、やっべえよ、なにこれなにこれあの、マジメ一辺倒の、服装もいつも小学校の女先生みたいなカンジの、あのマーヤ様が?しかも、処女だぞ、まさかこんなええええええなにこれなんなのこれ…ッ!)
ディミトリは一瞬の回想から醒めて、再び麗しいマーヤの裸身を射るほどに見つめていた。薄菫色のシルクのガウンを軽く羽織っただけの、肩や背中は軽く隠れているにせよ、結局はマーヤのシルクのガウンは既に完全にはだけており、却っていやらしさが際立つあられもない全裸といっていい状態であった。
東洋の血が幾分入ったマーヤの、白いが通常の白人の肌とはどこか違う、まるで雨に濡れた白い木蓮の厚ぼったい白い花びらのようなねっとりと光る肌理の細かい肌が、不思議な朝の日差しを浴びて、真珠のように細かく内側から光るように輝いている。
長年見ることのできなかったマーヤの裸身が目の前にある。
ねっとりと濡れたように光る真っ白な大きすぎる胸には、大きな胸にそぐわず、想像よりずっと淡い色の可愛らしいものがついていており、胸の膨らみだけはやたらと大きいにしても、なにより胸の直下から腰のラインは実に頼りない細さで、そのほっそりとした胴はしずくの形のように華奢にくびれていた。
たとえば肩は薄く華奢すぎるほど華奢で、ディミトリの掌にすっぽり収まる。首は細くなで肩、可愛らしい指や掌や足はまるでこどものようにほっそりと小さく、広いおでこ、顔も童顔だ。
ところが、尻に近づけば、ぐっと成熟したボリューム感があり、毛量は淡いにせよ光る白肌に漆黒の黒髪というえげつないコントラストのある茂みは雌っぽい成熟した毒々しさをも感じさせる。
このようにマーヤからは、熟れに熟れたどぎつい雌の要素と、一方で頼りないような華奢で未成熟な可愛らしい乙女らしい要素が、矛盾したままいかがわしく混ざり合っていた。
そのため、ディミトリは、成熟した手練れの年増に無理やり襲い掛かられて居るような被虐的な興奮と、まるで実際のマーヤの年齢よりもずっとずっと未成熟な小娘を騙して捕まえて襲い掛かっていたぶっているような罪悪感や嫌悪感をも含んだ加虐的な獣じみた興奮の、相反する2つの興奮の両方を同時に感じて混乱していた。
マーヤが潤んだ瞳で上目遣いで、頭上のディミトリに目を合わせてくる。いつもならすぐ恥ずかしがって目を逸らしてしまうディミトリだが、あまりの刺激に目を逸らすことすらできなくなっていた。
そしてディミトリは、マーヤのゆっくりくねくねと柔らかい身体をうねらせるようにして自分を必死で愛撫する、薄紫のシルクのガウンから覗く白い裸身を、ピンクのちろちろ動く舌を、ひたすら凝視し続けていた。
ディミトリの足指に。
くるぶしに。
膝小僧の裏。
ふくらはぎ。
にちろちろと舌を這わせられたかと思えば突然背中をついーと引っかかれ、薬指あたりの指の間を甘く齧られ舌をぐりぐりと差し込まれ。
マーヤは行ったり来たりしながらも徐々に徐々にディミトリの核心に近づいて行った。
そのうちにマーヤはそっと立ち上がった。
「ま、まだまだ続きがあるのですけど、その、本に書いてあるので…一旦立ち上がりますね…でも…やっぱり駄目!せめて、め、目を閉じて下さいませ!はしたない女だと思わないで…!どうか!」
ガウンがするりと床に滑り落ちる音がした。
ディミトリが目を閉じた瞬間、マーヤの天然の微かなあまい女特有の匂いが目前に迫って来て、ディミトリの顔に全裸のマーヤのやわやわに柔らかい大きな真っ白の双丘がディミトリが窒息しそうな位にみっちりと覆い被さり、舐るように、何度も、何度も、押しつけられた。ディミトリもそれに応えてマーヤの双丘の先の小さな桃色の突起を舌で柔らかく柔らかく転がしてマーヤを鳴かせた。
そのあと双丘がゆるゆる下に降りて行ったと思ったら、マーヤは恥ずかしそうに目を伏せたりちらとあわせたりしながらゆっくりとディミトリの唇に口づけした。
いつものマーヤの触れるだけ、もしくはディミトリにされるがままの口づけと違い、いま、はじめておずおずと小さな舌が自分からディミトリの唇の間に差し込まれた。
「さっきもずっと、あまり口づけをねだらないように我慢してましたの…だって、口づけしようとするたびに、ディミトリ様があんまり煽るな、煽るな、仰るし、それにどんどんディミトリ様がお苦しそうな険しい表情になって来てましたし。でも。…いまならもう、どれだけ昂っても構わないはずですよね...?だから、もう、思いっきり口づけします、許して下さい…」
そんなマーヤのぎこちない手管にディミトリが錯乱したように厚い舌でやり返したのは言うまでもない。
そしてマーヤはそろそろと、再び下に下がりはじめた。ディミトリの耳への口づけ、首への口づけ、熱い息を吹きかけながら喉仏をぐりぐりと舐め回し、乳首をねちねちと舐り、そうかと思ったら、細い指を急にわしのような形に曲げて、突然ディミトリの首筋と背中を軽く、しかし勢いよくつつーと引っ掻き、かと思ったら脇腹を可愛らしい小さな歯で甘く齧り、ちろちろと小さな舌で舐めまわし、少しづつ、少しずつ下に降りてゆく。
男性のふだんの皮膚感覚なら、こういった場所なんて別に舐められても、ただ不快にこそばゆいだけだ。
だが。
既にいままでの長たらしい愛戯の結果、官能が限界の限界まで高められているので、通常時なら男性であればせいぜいくすぐったいかちょっと不快なだけのはずの刺激が、いちいち、びりびり、びりびりと熱い官能に「変換」されてしまい、腹の底の局部にまでずんずんと響き伝わってしまう。
この東洋の奇書の手管とは、本来は古代の皇帝、つまり毎日の義務としての閨ごとに飽き果てた、全く高ぶってもいない古代の皇帝に対して、なんとかその気になってもらうため、一から官能を呼び覚ますために施す、丁寧な丁寧な手管である。
それを既に何時間もずっと発狂寸前に興奮しているディミトリにさらに施しているわけだから、ディミトリは通常状態とは違うどんな些細な刺激も快感に感じてしまうような特殊な官能状態に陥り、それでいてもちろん気の狂うようなもどかしさも身体を駆けめぐり、重なり合う刺激に耐えきれず、時に歯をかすかにカチカチ鳴らすほど震え、時折腕に鳥肌を立て、こうしてディミトリは何度も繰り返し気の狂った野犬の唸り声のような、ため息を吐いた。
ガウンを羽織り直したマーヤは再びひざまずいた。
そしてか細い震え声でマーヤはディミトリに言った。
「つ、強すぎるとか、弱すぎるとか、い、いかようにでもご指示下さいませ」
マーヤが意を決したように、両手の5本の指を触るか触らないかのようにこわごわそろりとディミトリの張り裂けんばかりに屹立し、すでにひりひりするほどの熱い熱まで孕んだ「それ」に当てはじめて、そう、っと撫で上げ、そう、っと撫でおろし始めたのだ。
マーヤは続けて切なげな表情でディミトリの茂みに脇から小さな鼻筋を差し込んで茂みの毛の先の先に唇を当てて茂みの表面をくすぐりながら熱い息をそうっと吹き込んだ。
そして熱い杭の根元周辺にそっ…と触れるか触れないかのかすかな口づけを繰り返し振らせたり、熱い息を転がし吹きかけたり、なにやらこそばゆいと思ったら、まばたきするまつ毛で杭の先端をくすぐったり、ひんやりした頬をそれに優しく押し付けたりしはじめた。
じれったすぎて、頭が変になりそうだ…!
だかディミトリがそうと思った瞬間のタイミングを狙って、マーヤはしっとりひんやりとした両の掌や指先全体を使ってディミトリの熱い杭の全体を根元深くまでがっちり包むようにして全体に、きゅうっ、きゅうっ、となだめるように圧をかける。
安堵を含む快感にディミトリが腹の底から空気をすべて吐き切るような溜息をしたのを確認して、しばらくおちつかせると、細い10本の指はまた一本一本ばらばらと解けていって、ディミトリの杭の周囲をつかず離れず踊り出す。
その、くり返しだ。
自分のモノはもう、随分前から熱を持ち張り裂けんばかりになりすぎて、甘い快感の痛くない痛みを通り越して、真面目にふつうの軽い痛みまで感じてきた、そういう段階になっている。
だが、絶頂・放出に達するポイントの部位をわざとのように外し、主に杭の先端部分や根本ばかりを狙い、絶頂に達する強さよりは少しだけひかえめな刺激を、達しそうになる度にそれを敏感に感じ取ってわざと弱めコントロールしながら、えんえんと長時間続けていると。
通常ならとっくの昔に絶頂し終了でおかしくないほどの快感を受けているのに、すんでの所で留まっていつまでも快感の中でたゆとうような特殊な状態になってくる。ディミトリは産まれてはじめてその特殊な高原状態を体験していたのだ。
焦らされすぎて気が狂いそうな感覚と今までにない快感に繰り返し襲われることで、とうとう我を失ってディミトリが無意識にマーヤの頭を掴んで自分のそれをマーヤの口に思いっきり突っ込もうかと動いたその時。
もう限界だし、もういまさら構わんだろう、と、まさにディミトリがマーヤの頭を両手で鷲掴みにやや乱暴に掴んだ瞬間、その時ディミトリはやっと気づいた。
可愛らしい広いおでこの先の長い黒いまつげが、愛らしい唇が、ぷるぷる、ぷるぷると震えているのを。
マーヤがなれない行為に震えているのがはっきりわかるのだ。
(えっ!この人…ちょ!…こんだけやっといて…こんだけやっといて…おい、これ、完全に怯えてるじゃねぇか…!こんだけやっといてびびってるって…まじか!)
そうだマーヤは処女だった。完全に忘れてたけど生娘だった。
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マヨコンヌの官能小説『女主人と下僕』
昔々ロシアっぽい架空の国=ゾシア帝国の混血羊飼い少年=ディミトリは徴兵されすぐ敵の捕虜となりフランスっぽい架空の敵国=ランスで敗戦奴隷に堕…
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