12-1 腹立たしいプレゼント ~小説「女主人と下僕」~
夜明け前。まだ夜明けまで2時間はあるだろう。
豪華な天蓋付きのベッド。
大きな窓から射す月明りでほんのりと室内が見える。
ディミトリが徹底的に深い所までマーヤを鳴かしに鳴かせ、そして自分も呆れるほど達した後。
ひと眠りしてから、ディミトリはマーヤより先に目覚め、くったりと寝入っているマーヤの髪をそっと繰り返し撫ぜていた。
本来ならひたすら喜びでいっぱいのはずのディミトリだが、切ない表情であった。
さっきは情欲の喜びでうやむやになっていたいろいろな複雑な感情が今にな