12-3 私を独占して 小説「女主人と下僕」
「こないだのザレンとの一件で俺ァ、よくよく解った。残念ながら、俺は自分の女を他人と共有できるタイプじゃない」
「はい!うれしい!うれしいです!」
「いや、ちょっと待って?ここ、喜ぶ所じゃないよ?つまり…つまり、目の前の下賤な身分のこの男はね、貴女を独占したい、ってそんな、気狂いじみた戯言を言ってるんだよ?本当に貴女はそれでいいのかい?」
「もちろんです!」
「俺は貴女が想像してるよりも、相当に腹黒いしつこい男だよ。店では純朴そうに装ってるが、汚ねえ世渡りの技だってそれ