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昔々ロシアっぽい架空の国=ゾシア帝国の混血羊飼い少年=ディミトリは徴兵されすぐ敵の捕虜となりフランスっぽい架空の敵国=ランスで敗戦奴隷に堕ちました。『お前の顔は若いころのわしそっ…
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#摩詠子
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5-1 わしがついている以上お前がマーヤを一度でも抱けば完全にお前の勝ちだ ~小説「女主人と下僕」~敗戦奴隷に堕ちた若者の出世艶譚~
ディミトリは、ザレン茶舗の石造りの建物を裏口から駆け上って、ザレン爺の書斎に走るように駆け込んだ。 ザレン爺はぴかぴかに磨かれた重厚なチークの書き物机の上で、葉巻の口火を切って、ゆるゆると葉巻を焙っていた。 「おい、ずいぶん早く帰ってきたな。...まさか振られたか」 「いや、振られたどころか...訳が分からねえ。まるでザレン様のご冗談そのままだった...だがご冗談ではないとおもう...ご、ご自分の方から...ずっと昔から好きだったと仰って…涙まで流しなすって…ご自分から