10-4 爺はマーヤに「めっ」されたい 小説「女主人と下僕」
前話
もくじ
ザレンの書斎。
(この小娘…!)
(今頃どうせ家でベッドの中に閉じこもってピイピイ泣きべそかいているとおもいきや、わしの元にひとりで乗り込んで来て『一切の手出しは無用ですわ』と言いよるとは)
ザレン爺は目の前の、打ちしおれた様子の、可愛らしい小娘を、ちょっと呆然としたような顔で数秒見て、そして半分以上白髪になった髪を掻き上げるようにして、小さく吹き出した。
「いやはや、ちょっと想定外だった」
マーヤは、そんな、ザレン爺の様子には一切気づかず、話を続