13-2 下僕 女主人を奪い返す【小説:女主人と下僕】
「あれだッ!あ、あの台詞がいいッ!お願いだ…あの台詞をいまここでこのムカつく爺の目の前で言ってやってくれよ…さ、さ、この俺にどんな口づけがしてほしいんだ…?」
「え…!!ちょっと待って下さいな、い、いまあれを言えと仰るの?!だ、だめよ、そんな、いくらなんでも…!あの、その、も、もちろん、気持ちには決して変わりは無いわ?ですけど…っ…は、恥ず…かしい…から…」
マーヤはすっかり顔を赤らめ、途方にくれてちらりと視線だけでザレンの顔を盗み見た。
ザレンはぎらぎらとした愉悦の笑