見出し画像

King Tubby / Flag Dub

ダブの創始者、キング・タビー。レゲエジャンルのダブを生み出したアーティストです。アーティストというよりも技術者に近いところが、面白いところです。50年代ラジオ修理屋で、そこからサウンドシステムという移動式ディスコを始める。とにかく彼の自作スピーカーや機材の評判が良く、そこから音楽に効果音など付けるようになり、60年代に入りデューク・リードのトレジャー・アイランド・スタジオでカッティング技師に。そこでDEEJAY用の歌なし音源を作っているうちに、楽曲を作ることができることに気づき、自身のサウンドシステム、ホーム・タウン・ハイファイにて、Uロイと共にダブサウンドを流し、人気になっていきます。70年代は、リー・ペリーやオーガスタ・パブロなど有名プロデューサーらとダブ作品をたくさん生み出していきます。が、若手の育成に力を入れていた70年代後半に銃撃されて死亡。
壮絶な人生ですが、混乱期のジャマイカで”技術”を武器に人生を生き抜き、伝説を残したアーティストです。

ジャマイカアーティストはとにかく銃殺が多い。(毒殺もある・・。)それはちいさな国の中で、政治・マフィア・音楽が密接に結びついているからだと思います。ラスタって思想も政治的な意味合い強いですからね。それでもアーティストたちは自由を表現します。ある意味政治家も音楽の力を知っているという点も重要です。音楽が、ジャマイカの文化の根底にあるのでしょう。ダンスホール系が先行しているからかもしれませんが、日本人だとレゲエを明るく軽いものと思っている方も多くいるようですね。音楽好きな方はすでに知っていると思いますが、ルーツレゲエの歌詞の内容はかなり重いです。ボブ・マーリーとかも、ちゃんと歌詞も含めて聴いてみてほしいと思っちゃいます。そろそろ日本も政治的なメッセージを込めた、若いアーティストは出てこないのだろうか。メッセージ性とセールスを両立できる奴。

ということで、夏とか関係ない感じのダブチューンをお楽しみください。