Alex Barck / Doubter
クロスオーバージャズ代表、ジャザノヴァのメインDJであるアレックス・バーク。彼のソロアルバムからの1曲。おしゃれエレクトリック・ソウル。静寂の中で、大きな波のうねりがジワジワと湧き上がってくるような楽曲です。
2000年代後半のクラブシーンでの、クロスオーバージャズの人気は凄まじかったですね。ジャザノヴァや日本だと京都ジャズマッシブとか、とにかくオシャレでかっこいい。あと当時は、新鮮味があったのかも。本来のジャズって、アドリブの緊張感や、一音一音の深みや、アーティストの個性の絡み具合が非常に重要かと思いますが、2000年代以降のクロスオーバーはハウス的な要素を入れることで、聴きやすく綺麗にパッケージして踊れる曲に整えたもの。クラブシーンで重要な、横揺れで踊れるジャズです。ただし、けっして中身が軽いわけではなく、そこにDJやアーティストの異常にマニアックなこだわりが垣間見えるのが魅力です。音楽好きが作る音楽って感じですね。ただ実はクロスオーバージャズの元祖は、ほとんどの人が名前は聞いたことあるであろう、マイルス・デイビス。70年代のクロスオーバージャズは、他のジャンルの要素を組み込んだり、かなり実験的な要素が強い印象です。個人的に大好きな、サン・ラとかも、基礎はジャズですが、途中からジャンルの垣根を超すぎて、宇宙につながりました。ジャズの拡張性は、もしかしたらロックの次にエグいかもしれない。
ということで、これまでの話と矛盾しますが、どっちかというとオシャレマニアックで踊れない方のエレクトリック・ソウルをお楽しみください。クロスオーバーに熱くなって、まさかのエレクトリック・ソウルを語らず!