Vincent Gallo / Was
私の知っているLo-fiサウンドの代表は、ヴィンセント・ギャロのWasでしょうか。元々は、画家として話題にはなっていたけど、映画バッファロー’66で俳優として有名に。とりあえず好きな映画で、この映画名を出せば、ちょっとセンスいいねって言われる時代でしたね。ただ、この人のセンスは本当に独特で、面白い。ちょっとナルシストで変態チックだけど自虐的でもある、俳優兼、監督兼、ミュージシャン兼、画家でもあるという、謎の男。
で、このアルバムもかなり個性的。哀愁漂うメロトロンの音。確かギャロは、ヴィンテージ楽器の収集家でもあるので、たぶん古いメロトロンを使ってるのでしょう。ちなみにメロトロンは、サンプラーのはしりで、鍵盤を押すとテープの音がなる仕組み。懐かしさもある独特な音色です。この音色を選ぶ時点で、ギャロの承認欲求にも似た個性の強さを感じますね。
正直ギャロのように、1点を追求しないタイプの芸術家肌の人は、世の中にたくさんいると思います。ただ、バスキアとバンドを組んだり、バイクレーサーに挑戦したりと、いろんなチャレンジを繰り返した苦労人?有名になることが苦労が報われるというわけではないですが、若い頃の勢いと経験値で、当時30代後半に入り、最高に味が出てきたタイミングが、バッファロー’66の出演という感じだったのかもしれないですね。最近はあまり名前は聞かなくなりましたが、今も自分のこだわりを貫いていてほしいです。
Lo-fiな音色をお楽しみください。