イチョウ五重奏団 at 公園通りクラシックスMar. 16, 2023
イチョウ五重奏団のライブ、今日は公園通りクラシックスで。
1stセット1曲目から"Liberty City"。このバンドではライブ第1回から演奏されているお馴染みの曲ですね。
いつもは2ndセットの最初などで演奏されることが多い曲目ですが、今日は最初に。
いきなり華やかなアンサンブルです。
2曲目は谷口さんの曲。オーセンティックなスウィング。楽しい楽想ですね。
スタンダードの引用もあり、ということで詳しい方はより楽しめるのでは。
3曲目"James"、原曲は比較的静かな演奏ですが、新澤さんのアレンジでゴージャスな響きに。
原曲のドラマティックなコード進行をより強調する感じで。
4曲目のスロースウィング、flとclのタメにタメたソロが素敵。
5曲目は太田さんの作品。
エフェクトを通したvcが大迫力。巨樹の風格。
セットラストの「イチョウ並木」、ややエキゾチックな浮遊感のあるスケールのテーマ。
ブレイクからのvc+flのインプロヴィゼーションが素晴らしい。
2ndセットは新澤アレンジによる「月の光」。
印象的なスウィングになっています。Jazzと印象派は親和性が高いように思います。
2曲目は谷口さんの作品。
タイトルどおりシネマティックな印象の曲です。
clの聞かせどころは勿論、艶のあるvn、bcl+flのデュオなど各メンバーのソロも素晴らしく、vcのランニングベースもグルーヴィ。
3曲目はパルマ(手拍子)付きで"Spain"のイントロから。
"La Fiesta"の「サビ」を引用した新澤さんの穏やかなトリビュート曲です。
4曲目はアラブのリズム(サマーイという3+2+2+3の拍節)で組み立てられた、でもどこか日本の里山の風景を思わせる静かな作品。
5曲目はジスモンチの作品ですが、感動的な解説がありました(私が何か言うのはさすがに憚られるので、詳細は新澤さんのSNSなどでご確認ください。とにかく素晴らしい出来事です)。
いつものとおり壮大なアレンジで。
セットラストはこれもお馴染みの"Quiet Leaves"
アンコールの「翼」、最後のコーラスはメンバーの合唱。
思わず涙が出そうでした。
そしてダブルアンコールは最初に演奏した"Liberty City"。
街に本当に自由が戻ると良いですね。
公演通りクラシックスは(元)小劇場 渋谷ジァン・ジァンのスペースです。
我々の世代には、渋谷アンダーグラウンドの発信地として思い出す方も多いでしょう。
フラットな床面(アーティスト用のステージが無い)、比較的高い天井で、空間の大きさがよくわかる生音を聴くことができました。
今回はvcのエフェクトを除きアコースティック(「アンプラグド」)な演奏でしたが、物凄く分離と定位が良くてアンサンブルとソロのめりはりも効いていて、直接聴こえる生音の加工のないクリアなサウンドがとても素晴らしいものでした。
マスクなしの演奏者、会場の大きな拍手。
諸々のことが徐々にではあっても戻りつつあるのだという感慨もあって、素敵な一夜でした。
Info.
date: Mar. 16, 2023
place: 渋谷公園通りクラシックス
Personnel:
イチョウ五重奏団
・新澤健一郎 (pf)
・太田朱美 (fl, alt-fl, piccolo)
・谷口英治 (cl, b-cl)
・帆足彩 (vn)
・橋本歩 (vc)
Set List:
1st
・Liberty City
・恋とリードは振り回されるくらいがいい
・James
・Mood Indigo
・樹の詩
・イチョウ並木
2nd
・月の光
・Woody is Swinging
・La Fiesta←→Life
・The First Quarter Moon Meets Jupiter(上弦の月と木星)
・7 Anéis
・Quiet Leaves
enc
・翼
・Liberty City