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Jazzとココアと
夜中に目が覚めたら、何となくココアに纏わる記憶が蘇ってきた。
学生の頃はよくvan Houtenのココアパウダーを練って作っていた。今思い返したら、どうもやり方の記憶が曖昧だ。ただ、一杯作るのに結構時間がかかっていたのは確か。たまに失敗して、ダマダマな奴が出来たりした。小さな鍋と牛乳、厚い陶器のカップと小さな台所の情景が目に浮かぶ。
今はこれ(画像)、Hershey'sのチョコレートシロップを牛乳と混ぜて電子レンジ。随分堕落したものだ。
院生の頃に住んでいたアパートの近くにOPEN DOORというジャズ喫茶があった。ジャズ研の友人から聞いたか何かでたまに行っていた。今でもそうだが、ジャズ喫茶のドアというのは物理的には勿論、象徴的にも結構重い。いくらOPENだとは言え、やはり躊躇いを感じるものはあった。で、そこで頂くのがココア。ほっとくと膜が張るくらい濃くて熱いココアをゆっくり飲みながら、Jazzを聴く。何かとても背伸びをした気分だったように思う。Jazz好きの学科の先生(某学会の元会長)も元ベーシストのマスターと同年代だったらしく話が合ったのか、よく通ってたらしい。ある日一緒に行って、夜中というか朝というか閉店後まで居座り、帰りにマスターと3人でラーメン食べたのを思い出す。
あの日の講義はどうなったんだっけ。
そこで聴いた演奏で、今でもびっくりした記憶があるのがMcCoy TynerのWave。A.C.Jobimのあの曲だけど、波といっても怒涛。全然ボサボヴァ爽やかじゃない(笑)。
アパートの道を隔てて反対側にあったJoyと並んで、僕のJazz入門期の記憶のお店。そんなところでゆっくりJazzに耳を慣らしてたんだと思う。OPEN DOORもJoyも僕が上京して程なくお店を閉めたらしい。
そんな訳で、どこか美味しいココアが飲めるJazz喫茶、ご存知ありませんか。
(Mar. 4, 2017)