新澤健一郎ピアノトリオ at Keystone Club Tokyo - Jun. 26, 2024
新澤さんのピアノトリオとして初めて聴くメンバーをKeystone Clubで。
ECMから自身のリーダーアルバムをリリースしている福盛進也(ds)さん、小曽根真さんのグループでも活躍中の小川晋平(b)さんとのトリオ。このところたまたまですが、若い実力派ベーシストの演奏を聴く機会に恵まれていて、なかなか楽しい状況です。
1stセットは新澤さんの北欧風味の作品から。
dsの静かでしかし疾走感溢れる静かなグルーヴが、ふと気づくと凄いプレイでびっくりしました。
bは調性感を支えつつ積極的に横のラインにも参加してメロディをドライブする感じが素敵です。
2曲目はアラブのリズムを基にした作品。独特な調性感が微妙に不穏な気配を醸しています。
3曲目はこれも北欧感漂う作品。ベースソロの明確な解決感のないモーダルな演奏が印象的。
4曲目はオマージュあるいはリスペクトというのはこういうこと、という作品。C. Coreaトリビュートの佳曲です。あくまで優しくかつダイナミックにお馴染みのメロディと新澤メロディが織り合わされて展開していきます。
5曲目はこれも有名な作品の新澤アレンジ。ソロ、あるいはイチョウ五重奏団他のフォーマットでも様々に展開されています。
2stセット1曲目Wheelerの作品。b, dsともにパワフルな演奏で、明るくかつメディアスなグルーヴ。
2曲目はこのトリオのために書いた曲とのこと。ベースのオステナートにやや抽象的なメロディが乗るような作品です。
ベースのソロは分散的な音が流れていくような演奏。
中間部のフリーインプロが印象的です。
3曲目は新澤さんのお馴染みの作品。いわゆるバラードですが、静謐で優しいメロディがゆったりと奏られます。
4曲目はE. Gismontiお墨付きの新澤アレンジ。中間部の緊張感あふれるフリーインプロが白眉。
5曲目はこれもアラブのリズムを使ったいわゆる変拍子ですが、優しく緩やかな、タイトルどおり静かな星空を眺めているような作品です。
アンコールにはK. Jarrettの作品。先頃亡くなったP. Danielson(b)トリビュートとして。
今回は全面的に北欧風味のパフォーマンスでした。
アコースティックな(サウンドリインフォースメントを通さない、いわゆる”生音”の)ステージは特にピアノがとてもクリアで素晴らしい音響でした。ベース、ドラムスのバランスも素晴らしく、また福盛さんの、殆どアンビエントのようでいて強烈にトリオをドライブしていくグルーブ、ダイナミクスが見事でした。
Info.
date:Jun. 26, 2024
place:Keystone Club Tokyo
Personnel:
・新澤健一郎 (pf)
・福盛進也 (ds)
・小川晋平 (b)
Set List:
1st.
・Quiet Leaves
・Red Shift
・Fluctuation
・La Fiesta <- -> Life
・月の光
2nd.
・Everybody's Song But My Own
・Moss Wall
・Ever
・7 Anéis
・上弦の月と木星
enc.
・Country