『ウルフズ』 スター映画とは「可愛げ」である
監督
ジョン・ワッツ
脚本
ジョン・ワッツ
製作
ジョージ・クルーニー
グラント・ヘスロヴ
ブラッド・ピット
デデ・ガードナー
ジェレミー・クライナー
ダイアン・マガニグル
ジョン・ワッツ
出演者
ジョージ・クルーニー
ブラッド・ピット
エイミー・ライアン
オースティン・エイブラムス
プールナ・ジャガナサン
〈あらすじ〉
『オーシャンズ11』シリーズのタッグでも知られるクルーニーとブラッドが再共演する本作は、“ヤバい事件”の後始末を請け負う、もみ消し屋(通称フィクサー)の物語。一匹狼のフィクサー同士が、同じ事件の現場で遭遇したことから、嫌々ながらも手を組むハメに。始末するはずの死体が生きており逃亡してしまったことから、予測不可能なトラブルに巻き込まれた二人の散々な一夜を描き出す。(公式YouTube予告編より)
『バーン・アフター・リーディング』以来、実に16年ぶりのジョージ・クルーニーとブラッド・ピットの共演となる本作は、「スター映画」として二人の「じゃれあい」がこれ以上ないほど詰まっている「可愛げ」のある快作になっている。
正直今作は、クエンティ・タランティーノ初期作のような「無駄な会話シーン」によるもたついた展開や、主人公二人のキャラクター・アークの平坦さ、物語の建て付けの甘さなどが多々見受けられ、作品としてはとても緩い出来となっている。
何よりノワール・アクションとして、ダークな世界への境界線に全くと言っていいほど触れないのは物足りなさを感じてしまった。
が、そのような弱点を補って余りあるほどにスター二人の演技アンサンブルがとても軽妙且つチャーミングで、「可愛げ」があり、2時間弱のランタイムを補強している。
つまるところ、スター映画の魅力とはスクリーンに映る「顔」その「可愛げ」で保たれているようなものだと改めて理解させてくれる快作
であった。
そしてBill WithersとGrover Washington Jr.の名曲Just the Two of Usがかかるラストだが、編集の妙や歌詞とのリンクも相まって凄くイカしたものになっていた。
「終わりよければ全てよし」とはこのことだろう。
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