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『フリー・ガイ』他者との関わり合いこそが真に存在に価値を見出す

監督
ショーン・レヴィ
脚本
マット・リーバーマン(英語版)
ザック・ペン
原案
マット・リーバーマン
製作
ショーン・レヴィ
ライアン・レイノルズ
グレッグ・バーランティ
サラ・シェクター
アダム・コルブレナー
製作総指揮
ダン・レヴィン
メアリー・マクラグレン
ジョシュ・マクラグレン
ジョージ・デューイ
マイク・マグラス
出演者
ライアン・レイノルズ
ジョディ・カマー
リル・レル・ハウリー
ウトカルシュ・アンブドゥカル
ジョー・キーリー
タイカ・ワイティティ


※ネタバレ全開です!!
できれば何も前知識無しに観てほしい!!!






 ルール無用のオープンワールドゲーム「フリー・シティ」にて繰り返しの平凡な毎日を暮らすNPCの銀行員ガイ(ライアン・レイノルズ)とその相棒の警備員バディ(リル・レル・ハウリー)。彼らの目の前に絶世の美女モトリー・ガールが現れガイは一目惚れしてしまうが...?
 一方その頃現実世界ではミリー(ジョディ・カマー)が自身のアイデアと盗用されたと疑い、「フリー・シティ」の運営会社の社長、アント・ワンに訴訟しようとする。

↑ガイ(ライアン・レイノルズ)とバディ(リル・レル・ハウリー)
特にライアン・レイノルズ濃度100%で演じられたガイがクリーピーでありながらとても愛らしい


主人公であるガイとその相棒バディのやりとりが忘れられない。

ガイ「俺たちはゲームの中の存在で、実在しないんだ。つまりリアルじゃないんだ。」

バディ「何を言っているか俺には分からない。
でもね、ここにお前を助けたいという友情があるなら、それこそが俺たちにとってのリアルだろう?」

なんて我々の芯に迫る感動的な会話でしょうか。

確かに僕たち自身単体では無力で、本質的には何も無い存在かもしれない。

だが、友情やそれらを含めた全ての人との関わり合いこそが人を人たらしめるんじゃないの?
という問いの投げかけがこの短い会話に全部込められていて、不意打ちを食らって号泣してしまった。

存在論的な問いが実存主義的な価値観へ傾倒していく、凄まじいシーンでした。

 さらに凄いのが、この作品が前述した単に小難しい映画として作られているのではなく、老若男女誰でも楽しめるロマンティック・コメディとして作られているところ。

基本おバカで笑えて、そしてとてもキュートで愛らしいエンターテイメントとして申し分ない面白さなので誰でも観られると思います。

ロマコメとしてもこの手の作品として十分ベタに作っていて、その思い切りのよさも超好みでした(はよ気づけよ!!と思わなくもなかったが笑)

そこに不意打ち的に凄く深みのある問いを投げかけてくるのがこの映画の美しい点です。


誰でも観ると笑えるコメディで、ロマコメとしても嫌味なく幸せになれる。
その上、人間存在の芯に迫る問いの投げかけでハッとさせられ号泣させられる。
これこそ一級エンターテイメントでしょう。
みんなに見てほしい!!!!

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