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3本足のモルモットをひきとった話

3本足って可哀想?不便?普通には暮らせない?
そんなことはありません!うちには元気な3本足の生き物がいます。


モルモットを飼い始めた私

ペットショップで一目惚れしたすごく小さなイングリッシュとアビシニアンの三毛のモルモット2匹。
めっちゃ可愛い!!
気づいたら衝動買い、お会計をしていました。
(良い子は飼い方の勉強、餌やケージをしっかり準備してから飼育しましょう)
名前は2匹とも女の子で巻き毛と直毛。
キャンディキャンディにちなんで(古)キャンディちゃんとアニーちゃんにしました。

超可愛い


足を切られたモルモット

同じ頃、勤め先の病院に連れてこられたモルモット。
キャンディとアニーをお迎えしたペットショップから連れてこられていました。
診断はおそらくケージに足を挟んでしまったことによる右後ろ足の複雑骨折、反対の右足も足首の脱臼でした。
成長期でまだ小さかったこともあり骨折を治す手術は難しいと担当していた獣医が判断し断脚、いわゆる足を切る手術をすることになりました。

もう商品にならない動物にしっかりと手術をしてあげるなんて、残念なことですが一昔前では考えられないことでした。
最近のペットショップはしっかりしてるなぁなんて感心した覚えがあります。

その当時はまだ新人でその子の診察や手術には関わっていなかったのですが、もう売られないであろう彼はどうなるんだろうと何となく心に引っかかっていました。
彼の手術は無事に終わり、私の心配をよそに元気に退院していきました。

キャンディの様子が・・・

初めてのモルモット飼育に奮闘していた私。
しかし状況は悪い方へと傾いていきました。
キャンディちゃんの体重がお迎え時から増えず、流動食を食べさせたり、点滴したり薬を飲ませたり色々とやっていました。
一生懸命に草を食べている彼女でしたが、便も一向に出ず、お迎えして1週間で衰弱死してしまいました。

隔離して飼育、一生懸命食べるけど口からポロポロこぼれて食べられない

原因究明のため解剖まで実施しましたが、舌がかなり短いこと以外には大きな要因は見つからずじまいでした。

私の中では先天的な舌の異常などでうまく食べられなかったのではと結論づけました。
ペットショップにも来たばかりで体調がいいかも不安な中での引き取りだったので、ある程度仕方ないと思うことにしました。
淡々と書いていますがめっちゃ凹んでました。つらい…


これも何かの縁?

モルモットをお迎えしたペットショップに買い物に行った時のことでした…
キャンディちゃんのことを一応担当してくれたスタッフさんに報告。
小さかったし、たまにありますよね…と。
しばらく話をしていた時に彼のことがふと頭に浮かんで、足を切った子は元気ですか?誰かに引き取られましたか?と尋ねました。
『ずっとバックヤードにいます。
ハムスターとか寿命が短いとスタッフが引き取ったりするんですがモルモットだと10年近く生きるのでなかなか…』

『じゃぁ、私が引き取ってもいいですか?』

自然に言葉にしていました。

ケージも1つ余ってしまい、何となく寂しくなっている我が家。
病院に連れこられた小さなケージのままバックヤードの隅っこにいる3本足のモルモット。
スタッフさんも私の職業を知っていたため快くOKし書類を用意してくれました。

3本足のモルモット

そんなこんなでうちにきたモルモット。
足がないから名前は あしなしお にしました。
(職場の看護師さんには酷い名前だと怒られました)


意外にもなしおは3本足で難なく歩き、20cmくらいの段差は軽く飛び、ご飯はアニーちゃんよりもモリモリ食べました。

困ったことといえば足がない右側の目やにと耳あかが取れないくらい。
定期的に目やにを取って綿棒で耳をキレイにします。
掃除されるとぷいぷい怒って私の手を軽く噛みます。

そんな彼がうちに来てもうすぐ2年。
これもなにかの縁かなと、亡くなったキャンディちゃんに想いを馳せつつ、
今日もなしおの目やにを取ってるそんな日々です。

うちに来た日、まだまだ小さい
うちに来た日、初日からふてぶてしい
今はもっとふてぶてしい
現在、でかくなりました。
足のある方もでかくなりました

ここまで読んでいただきありがとうございました☺️

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平凡な獣医師 ちゃそ
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