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有原から上沢の旅

2024年オフのNPBには様々なニュースがありましたが、群を抜いて話題になったのは上沢直之投手が日本へ復帰するにあたり、日本ハムではなくソフトバンクを選んだことだと思います。
これについて賛否含め様々な意見が日々交わされており、プロ野球OBの発言などをきっかけにまだまだ熱を帯びて話題・ネタになり続けています。
また、以前似た経緯で同じ球団同士で移籍した有原航平投手も引き合いに出されています。
(本稿ではこの事象についての賛否や自分自身の意見には触れません)

そんな中、「戒め乗車券の旅」と呼ばれているこんな動画を拝見しました。
鉄道ファンの中では西武時代から知られていましたが、2023年オフに一気にネタとして「熱さ」が上がったことで、実際に行動に移し、それを動画にしようというものだと思います。

この動画のコメントに、「有原駅から上沢駅に行ってほしい」というものがありました。
ちょうど冬の青春18きっぷ5日間中、2日分どう過ごそうか悩んでいる日があったので、これらの動画・コメントを見てノータイムで新戒め旅を決定しました。
この動画に出会えなければ思い立たなかったので、非常にリスペクトさせていただいております。ありがとうございます。


どこから戒める?

有原駅という名前の駅は残念ながら現在存在せず、また上沢駅はJRではない(神戸市営地下鉄)ため、山川→穂高と違い1枚の乗車券に完結させることはできません。
また「有原」という名前のバス停はあるのですが、島根県出雲市と広島県三次市の2つ存在しています。

どちらからスタートするのが適当か、すごく悩んだというか、簡単な決断ではなかったのですが、今回は有原投手が広島県出身であることから広島県三次市の有原からスタートすることにしました。

戒める前に

有原を通るのは備北交通の敷名線という路線なのですが、同路線は日曜・祝日運休であり、年末年始は3日まで祝日扱いとのことで、土曜日である4日にしか実行できませんでした。
また、土曜日は1日2往復であり、片道をタクシーと併用でもしない限りはダイヤの関係で事実上訪問に使えるのは1往復のみで、訪問難易度はまあまあ高めです。
平日は4.5往復ありますが、同じような理由で利用できる便は限定的です。
このため、簡単な決断では旅程を実行に移せません。ただ、自分で決断したのでこの決断が良かったと思えるようにこなしたいと思います。

有原へ

前日に広島市内入りしました。久々の広島たったので本当は市内や宮島を観光したかったのですが、大寝坊をかましてしまい時間が足りず、中心部をぶらぶらしたり、ジムに行ったり、故・大山のぶ代さんが(共著の)『おいしい店めぐり: 味よし値段よし 日本全国穴場案内』(グラフ社)なる本の中で推薦されていたお店で食事をする程度にとどめました。

大山のぶ代推薦のお好み焼き

翌朝、広島駅を9:00に出る芸備線・快速みよしライナーで三次に向かいます。

国鉄型の車両
三次市が期待するような楽しみ方ではないと思います。ごめんなさい。

残念ながら芸備線とバスは接続が良くなく、約1時間の待ち時間があります。郵便局に所用があったので、道中のスーパーでどんなものが売っているか観察したりなどで時間を潰しました。

カープは県内どこでも強い
いよいよ有原へ!

三和支所行きのバスは11:32に三次駅前を発車。乗客は僕ひとりでした。
道中、プロ野球開催実績もある電光石火きんさいスタジアム三次(三次きんさいスタジアムと言った方が馴染みがありますね)の横を通ったり、何やらプロ野球成分ありそうな停留所を通過しました。

ちょっとわかりにくいですが、スタジアム横を通ります
今この時に輝き放て〜
グラブさばき見せて〜
三次駅前からの運賃は760円です

有原ってどんなところ?

三次駅前からは35分ほどの乗車時間で有原に到着しました。

降ろされた地点から
こんな感じのバス停です
非常に本数が少ないので、行かれる方は注意してください

有原停留所のあるところは旧三和町で、山間部の小さな町です。古くは徳田庄と呼ばれたそうです。
バス停からほんの少し三次市街側に行くと、有原天満神社の鳥居があります。

立派な鳥居です
赤い瓦屋根が印象的な立派な本殿

有原天満神社は明応8年(1499年)には双三郡誌に記述があることが確認されており、古くから地域の信仰を集める特別な場であったことがわかります。自分が訪れている間にも地元の方と思われる家族連れが参拝に来ていました。
今年はまだ神社に詣でていなかったので、こちらでこれからの旅路の安全、そして上沢投手のあと30勝に迫った日米通算100勝を祈願して初詣とさせていただきました。

集落は神社含めほとんどが赤い瓦なことにお気づきになったかと思います。島根県石見地方で生産されている石州瓦で、耐候性に優れ、島根県のみならず広島県北部全域でも広く使われています。

そんな有原には、三和支所で折り返してきた帰りの三次駅前行きが来るまでの約30分間滞在できます。バス停からは少し距離があるようですが、人気の中華料理店も有原町内にあるそうなので、もし行かれる方はぜひ。バスで行くと中華料理店行ったら帰れなくなりますけど

なか゛いたひ゛がはし゛まる…

さて、そんな有原を出る時間となりました。

当たり前ですが、同じ車両です

三次駅前に着いたのは13:14。次の列車までは1時間以上ありますので、遅めの昼食を摂ることにしました。

休みの店が多く、何とかこちらの営業時間ギリギリに滑り込めました
三次といえば唐麺!

唐辛子を練り込んだ麺と、辛口のカープソースが特徴の唐麺焼。ほどよく辛く、しつこくない程度に後口残る素晴らしい味でした。皆さんも三次に行かれたら是非。

さて、そんな三次を14:40発の福塩線府中行きに乗車します。

JR西日本のローカル線でおなじみキハ120形
デザートに買ったピグレットというお店の焼ドーナツ。これめちゃくちゃうまかったです。絶対買うべき。

福塩線は三次市の塩町と福山を結ぶ路線ですが、府中を境に閑散線区と福山近郊の通勤通学路線という様相で完全に分かれており、ゆっくりと山間部を走るため、午後に乗ってどうにも眠くなるには十分でした。

16:31に府中に着き、43分発の福山行きに乗り換えます。

府中はここまでの沿線風景からするととんでもない大都会です

特に神辺からものすごい乗車があり、その辺の首都圏の路線顔負けの混雑ぶりで福山に到着しました。

ホームから福山城が見えます

そろそろ暗くなってきたこと、福塩線南部以降の列車は全体的に混雑していることで写真の撮影が難しく、以降あまり旅感が出ないことをお許しください。

福山には17:27に着。7分の連絡で山陽線の長船行きに。
福塩線からの乗り換え導線も山陽線もすごく混んでました。

岡山でおなじみの車両

18:35に岡山に着きます。
この先長船行きに乗り続けても姫路方面の接続はないことや、ちょうどご飯時ということで、岡山で一旦改札を出て、気になっていたラーメン屋さんで晩ご飯にすることにしました。

ドカンとパンチの豚バラ、その下は淡麗醤油。意外と食べてるうちに馴染みます

19:59の姫路行きで移動再開。

岡山地区の新型車両、Uraraが来ました

途中、相生で赤穂線から来る新快速に乗り継げば神戸方面に向かえるはずでしたが、どうも遅延(いつものことですね)しているようなので、とりあえず姫路まで乗車。みんな相生で降りちゃいましたが…
乗る予定の新快速は姫路始発に変わって姫路から定刻に発車。すごく悩んだというか、簡単な決断ではなかったですが、我ながらよく見切れたなと思います。

上沢へ(上沢とは言っていない)

西明石から普通電車に乗り換え、辿り着いたのは新長田。
上沢駅はJRの兵庫駅から歩いて10分ほどで到着できるのですが、やっぱ電車でその駅に辿り着いた方がいいよなということで、神戸市営地下鉄西神・山手線に乗り換えます。

とうとうラストランナー!
シーズン中ならここにオリックスの選手の顔があるのですが…
つぎは上沢!

さあ、上沢駅です!

…え?

横文字よくわかんないですけど、うわさわってUから始まりますよね。kに見えますね。

か、かみさわ…?

はい、そうなんです。神戸市営地下鉄の上沢駅は「かみさわ」駅であり、「うわさわ」駅ではありません。

なんだ詐欺じゃねえかって?

同じ読みの駅名じゃないのに行ってきたことは、僕の旅行での挑戦を応援していただいた方には、本当に申し訳ないと思います。

さまざまな声が上がるのは分かっていたけど、この決断がよりよい決断だったと思えるように、これからのツイートだったり、自分の投稿で示していきたいと思います。

ふりがなついてない駅名標探すの大変だったんだぞ!

今回の旅程

乗り換え案内は遅延の影響で相生での乗り換えとはなりませんでしたが、それ以外はこの通りになりました。

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