プレスに必要だと思う10のコト
twitterを中心にファッション関連のマーケティングやPR、広告事例や気になるクリエイティブなどを発信しているちゃると申します。COVID-19の影響で在宅勤務になり早1ヶ月。最近twitterのDMで”プレスになる為にはどうしたら良いですか?”という質問が増えてきたので、おうちにいる時間を使って、今回は「プレスに必要だと思う10のコト」というテーマでnoteを書いてみることにしました。
一度今の会社を離れた時期もありましたが(出戻りなのです...)、ブランドプレスとしてアパレルのマーケティングに関わるようになって約5年。プレスになりたいという目標を持ち、店舗スタッフの時に意識していたことや実際にプレスの仕事をしている今思うことなど、実体験をベースに書きたいと思います。プレスを目指している方やプレスに興味がある方にとって、少しでも参考になるnoteになれば幸いです。
まずは簡単に僕の経歴を。
19歳:大学時代、ショップスタッフとしてアルバイトを始める。
23歳:新卒としてアルバイトをしていたアパレル会社に入社。
24歳:社内公募でプレスになるも3ヶ月で転職。
24〜27歳:制作会社で広告営業と雑誌の編集に没頭。
27歳:出戻りで現在の会社に。マーケティング部に所属。
28歳〜現在:ブランド所属になり、ブランドプレスとして勤務。
普通の店舗スタッフがプレスになり、転職を経験、出戻りでマーケティング部に所属。現在はブランドプレスとして勤務する30歳です。
①自分をPRできる能力
ブランドプレスはブランドの活動を魅力的に伝える仕事です。ブランドの歴史や扱う商品など、ブランドに関するアレコレをきちんと理解して発信する必要があります。その練習という意味でも自分をPRできる能力は大切です。自分の場合、会社全体で見るとスタッフの数は数千人、その中でプレスの枠は各ブランド1〜5名程度。どうすればその少ない枠に自分が入れるのか?かなり悩みました。チャンスを手繰り寄せる為には、自分という存在を上の人達に知ってもらうことが必要不可欠です。この後の項目にも出てきますが、自分がどんな人間なのか?自分の魅力を伝えられる用意は常にしておきましょう。僕は目上の人がお店に来た時にアピールできるように、プレスになりたい理由を書いたシートをポケットに忍ばせていたこともありました。(結果お店ではなく、研修の時に渡すことができました。。)
②圧倒的な個性も持つ
他の人達と差を付ける為にも個性は大切です。どんな個性でも良いと思うので、自分の強みや特徴、自分らしさを持っておくようにしましょう。自分が大切にしていたのは、ミーハーな性格と行動力。現在の趣味にも繋がっているので良しとしていますが、当時”プレスになる人間は外との人脈が強くないといけない”と思い、元々音楽好きだったこともあり、週3〜4で都内のクラブに通っては著名人やタレントに話しかけて、繋がりをつくる為の活動をしていました。一緒に撮った写真はSNSにアップし、会社の人達にアピールするという、今思えばちょっとイタいことも必死にやっていたような気がします。。でも、実際に今でも仲良くさせて頂いている方もいますし、当時始めたDJも続けているので、しっかり自分の個性になっています。
③トレンドキャッチ能力
アパレルは春・夏・秋・冬で商品が変わることはもちろん、洋服のトレンドもとても短いスパンで変化していくので、常にアンテナを張っておかないといけません。また、PRの活動においても、どんなキャンペーンが流行っているのか?どんなインフルエンサーが活躍しているのか?どんな著名人が人気なのか?近い将来有名になりそうな人は誰なのか?今イケてるクリエイティブは何なのか?など、情報として知っておかなければいけないことは山ほどあります。僕はSNSのチェックはもちろんのこと、ファッション以外のジャンルも含めて10〜20のメディアを毎日チェックするようにしています。自分の感覚が世の中の感覚とズレていないかを確認し、活かせることは自分の仕事にも取り入れるように心掛けています。圧倒的な情報量は人と関わることの多いプレスのお仕事において強みにもなるので、毎日のインプットは欠かさずに行いましょう。
④アウトプットできる力
”発信”をするお仕事なので、アウトプットできる力は大切です。アウトプットの中身としては、Instagramやtwitter、FacebookなどのSNSの活用はもちろんのこと、カタログやKV、WEBコンテンツや販促施策など、企画を仕込んで実装していくスキルも非常に重要だと思います。課題の抽出や目的の設定、それに基づく戦略や採用する手法の立案など、意味ある発信に繋げていく為の設計力も含めて、アウトプットする力は意識して養った方が良いです。特にこれからの時代はオウンドメディアでの発信が大切になってくると思います。スピード感と低コストでの実装が課題になり、その条件下で質の高い発信が求められるので、アイディア力も問われます。個人のSNSなどを活用して、アウトプットすることに日頃から慣れておくのも良い練習になるでしょう。自分はtwitterの投稿やこのnote、DJとしての活動も全てアウトプットだと思っています。特にDJは自分の曲のセレクトが世の中にフィットしていないと、シンプルに”盛り上がらない”ので、自分の感覚の良し悪しを測る上で貴重な場だなと最近気付きました。
⑤コミュニケーション能力
これは色んなメディアでも言われていることですが、実際に働いていて本当に欠かせないスキルだと思っています。チーム内での会話はもちろん、上司や他のセクション、他の部署や外部の協力会社など、他者と連携して仕事をすることが予想以上に多いです。また、これは持論ですがPRは発信するモノやコトがあって仕事が成り立つので、モノやコトの源流にいる人達からの信頼を得ないと仕事そのものが難しくなってくると思います(もちろんPRがモノやコトの源流になる場合も大いにあるのですが)。その為にも日頃から積極的にコミュニケーションをとって、状況を把握したり、繋がりを強めておくことは大切です。”人当たりの良さ”はとても貴重な素質だと思います。圧倒的なインプットが強いアウトプットにも繋がるので、意識して周りの人達と会話するようにしましょう。現在、僕も在宅勤務ということもあり人と会うことができませんが、用事がなくてもいつもお世話になっている協力会社の方々に連絡して、会話をするようにしています。
⑥率先力
簡単に言うと”アクティブな姿勢”と”とりあえずやってみる精神”を持つことだと思います。自分がショップスタッフとして働いていた時のことですが、ブランド内の取り組みで、スタッフからプロモーションの企画を募集するという企画があり、とにかくアイディアを企画書に起こして送りまくったことがあります。企画書なんて作ったこともなかったですが、チャンスだと思い店舗での仕事以外の時間は全てそれに注ぎ込みました。また、会社によっては社内公募でプレスを募集するところもあると思うので、そういうチャンスは絶対に逃さないことが大切です(自分は最初の公募の時、メルアドを間違えてエントリーできなかったという苦い経験があります笑)。その悔しさがあったからこそ、2回目の公募の際に全力を注ぎプレスになれたのだと思ってはいます。ただ、落ちたとしても”なりたい!”という強い意思表示には繋がるので、やらない手はないです。公募や企画募集の場がなくても、良いアイディアを思いついたら提案してみる価値は大いにあると思います。今はSNSやLINEが普及したことで、連絡する術やチャンスは無限にあるので、トライしてみるのもありです。
⑦フラットな思考
以前、”プレスになりたいと思っているのですが、どうしたら良いですか?自分は●●が大好きなので、●●とブランドを紐付けた企画をやりたいです!”というDMが来たことがあり、積極性や行動力は素晴らしいと思うのですが、その●●があまりにも、ブランドの方向性や今後やるべきことからかけ離れていて、とてももったいないなと思ったことがありました。個性や強み、やりたいことがあるのは良いことですが、ブランドへの落とし込み方を間違えると、一方通行のアウトプットになり、辻褄の合わないことになってしまうので要注意です。自分の好きなものを織り交ぜながらブランドにとって有益なことを実現できたら1番楽しいかもしれませんが、最優先はお客様が求めていることに応えることだと思うので、ひとりよがりになってはいけません。また、リスクヘッジの意味でもフラットな思考は大切です。今この発信をしたら受けてはどう思うのか?この言葉のチョイスは正しいのか?など、フラットな目線を持っていないと、判断できないこともたくさんあります。冷静な思考は常に必要です。
⑧ロジカルな視点
プレスの仕事はクリエイティブなことが非常に多いです。数字では示せない面白さやカッコ良さ、可愛さを追求しないといけない時が多くあります。しかし、センスが抜群で、日々出すアウトプットのクオリティが常に高いという状態にあったとしても、その人の優秀さやそのアウトプットの信頼性をより高める為には、ロジカルな視点での検証やレポートがとても重要です。なんとなくお洒落、なんとなく可愛いだけではなく、具体的に示せるものはきちんと示しておいた方が、その先の仕事がしやすくなると思います。その為にもKPIは仮定でも良いので、設定しておきましょう。振り返りの軸がないと何も振り返れないですし、蓄積もできない。場当たり的な対応しかできなくなり、成長も止まります。自分も最初は嫌いで、苦手でもありましたが、事業の成長だけでなく自分の成長にも繋がらないと理解してからは、強く意識するようになりました。自分の言葉で100%説明できないと自分の仕事ではなくなってしまうと思うので、今ではとてもロジカルな思考を大切にしています。
⑨センス
先ほどロジカルな視点の大切さを説明しましたが、大前提としてプレスになるには一定レベルのセンスは必要だと思います。「アウトプット=ブランドの意志」になるので責任重大ですよね。ダサい発信をすることはできません。自分は元々ミーハーな性格ではあったので、学生の時から自然と情報収集は行なっていましたが、良し悪しを測る自分の”ものさし”をつくる為に、意識して色々なものを見たり聴いたり触れたり食べたりしていました。幅広い服の知識があり、その中でも自分のブランドの服のここが良いんですよね!という説明ができた方が説得力も増しますよね。不味い料理を知ってるから、何が美味しいか分かりますよね。ジャンキーなものに触れるのも大切ですし、一流のものに触れるのも大切。時間とお金に余裕があるなら、海外にも積極的に行った方が良いです。自分は最近行けていないですが、頻繁に行っていた頃は常に刺激を受けまくっていた思い出があります。見聞を広げて、センスを磨く。無駄になることは絶対ないので、お薦めです。
⑩文章力
最後に、意外と見落としがちですが、文章力はめちゃくちゃ必要なスキルです。発信という行為の中には必ず”文章”が含まれます。写真をお洒落に撮れたとしても、伝える言葉が稚拙だと台無しになってしまいます。SNSはもちろん、プレスリリース、カタログの校正、企画書の作成など、言葉を扱うシーンがたくさんあります。発信する者として、正しい言葉をセレクトできる能力はマストだと思っています。自分は幼い時から読書が好きで、作文は嫌いでしたが書くのは得意で、前職ではライター業務もやっていたこともあり、かなり鍛えられたのではと感じています。意外と忘れられがちなスキルですが、このスキルを体得していれば、任される仕事も自然と増えると思います。自分のSNSを使って言葉の練習をすることもお薦めです。言葉に関しては日々の積み重ねでしか身に付けられないと思うので、ぜひ意識してみて下さい。
だいぶ偉そうに書いてしまいましたが、以上が自分が思う”プレスに必要だと思う10のコト”です。ちなみに自分は最近30歳になったこともあり、明確な強みを持てるように日々勉強に励んでいます。打ち出していきたい個性としては”編集力”と”企画力”。様々なモノやコトの掛け算で期待されていること以上の企画をアウトプットできる人間になれればと思います。また、ネタを思い付いたらnoteにまとめたいと思いますので、引き続き宜しくお願いします。
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