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ゴールデンカムイ・聖地巡礼1

  8月30日にゴールデンカムイ展観覧と聖地巡礼のため、日帰り函館弾丸ツアーを敢行した。滞在時間が短いため、立ち寄り先をかなり絞ることになる。
 昼食は坂の途中にある老舗のレストラン、五島軒。こちらはゴールデンカムイ(金カム)の登場人物でもある土方歳三ともゆかりが深い。また、今回の金カム展開催に合わせて路面電車にラッピング広告を提供したり、金カムをイメージしたメニューを提供してくれたり、これでもかとファンサービスをしてくれた地元企業だ。 
 いただいたのは、もちろんこれ、『明治のエビフライセット』。味も量も申し分なく、金カムの世界観を堪能させてもらった。美味なる刺激で作歌もはかどる。

https://gotoken1879.jp/wp/wp-content/uploads/2023/07/20230710_差込A4_エビフライセット03.pdf

【一皿目・エビフライ 帝国ホテル風】
 私の最推しの一人・花沢勇作は、戦場で軍旗を掲げて先陣を切って兵士を先導する聯隊旗手を目指している。名誉ある役目ではあるが、当然死亡率が高い。旗手はその条件として純潔を守ることが求められていた。彼の母は息子の命を守りたい一心で見合いを画策。
 一方、その企てを察知した軍の内部ではそれを阻止するための作戦が開始されていた。その作戦に金カムの主人公・杉元佐一も巻き込まれて、勇作の替え玉となって令嬢とお見合いをする羽目に。
 そのお見合いの場となったのが帝国ホテルで、食事のメニューがエビフライ。
 その後、杉元は陸軍士官学校に乗り込んで、勇作に本当に自身の意思で聯隊旗手を目指しているのか、詰問するシーンを詠む。

 大ぶりのエビフライが3本、そして、エッグソウスが山盛りに添えられていて、初見、ボリュームに驚くもペロリ完食。

【二皿目・明治のカレー】
 杉元ともう一人の主人公であるアイヌの少女アシリパ、彼らがカレーを食べるエピソードがある。
 アシリパは初めて目にするカレーの外見(ウ〇コではないか?!)に戸惑いを隠せないが、杉元に食べても大丈夫なものであると言われ、一口食べてその美味しさに感動するというもの。
 添えられたたくあんは、土方の好物をイメージしたものかな?

 とてもまろやかで優しい味にすいすいとスプーンが進む。辛さを追加したい人のために、テーブルにはガラムマサラ(辛みを増すためのスパイス)のビンも添えられ、心憎い配慮。
 これももちろん完食。

【三皿目・五島軒風ボルシチ】
 樺太の国境を越え犬ぞりで移動中に吹雪にあい遭難しかけるも、ロシア人の灯台守夫婦に助けられるエピソードがある。
 田舎暮らしを嫌った娘は家出をしてしまい、寂しく暮らしていた夫婦が温かいボルシチで一行をもてなしてくれる。その場で教わった、おいしいという意味のロシア語「フクースナ」を口々に語り、久しぶりのにぎやかな食卓で心も体も温まる。
 
 お野菜の旨味がたっぷり。彼らの旅を追体験しているのだと実感が湧き上がる。

【デザート・スーシュカ風クッキー】
 連載が終了して1年が経とうとする頃、連載誌に付録が付いた。私のもう一人の最推し・異母兄弟の兄である尾形百之助がロシア菓子スーシュカを食べる姿が描かれたポストカード。
 原作ではほとんど笑顔を見せることがなかったのに、それはそれは穏やかな笑みを浮かべて美味しそうに食べている。その絵を描いたのは、国境で尾形と壮絶な対決をしたロシア兵の狙撃手・ヴァシリという体裁であった。
 でも、尾形の生前に二人は間近で顔を合わせることはなかったはずなので、これはいったいどういうことか?と、ファンは大いにざわついた。
 ヴァシリは後に尾形の死を暗示するような『山猫の死』という名画を残すことになる。
 
 食後に紅茶と一緒にいただいて、原作の世界をしみじみと味わいつつ、頭の中に降り注ぐ言葉を急ぎメモする。

五島軒様、素敵な企画と美味しいお料理の提供ありがとうございました。

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