伝えたい姿をみたい
あの日のあの選手の姿を、私は自分の子どもに伝えたい。
自分の子どもに、あんな人達になって欲しいと思う、そんなチームだった。
10月23日、豊田合成健康管理センターで行われた日本ハンドボールリーグ豊田合成対トヨタ自動車東日本レガロッソ。
この試合はコロナ禍により日程調整、会場変更があり、一般客は事前抽選された30名限定で行われた。
その30名に、どうしたことでしょう、私も当たった。
コートの脇に作られた臨場感たっぷりの席で選手の走る振動や声が聞こえるすばらしい席だった。
そんな試合に私はトヨタ自動車東日本レガロッソを応援しにやってきた。
トヨタ自動車東日本レガロッソは宮城を本拠地とする日本ハンドボールリーグのチームである。
レガロッソのアナリスト河合さんとお知り合いになったことから、レガロッソのゴールキーパー、関口選手の似顔絵を描いた。
関口選手は来月のポッキープリッツの日に36歳を迎えるベテランキーパーでものすごくとめる。くまさん系ゴールキーパーで朴訥とした雰囲気なのに、ものすごくとめる。
関口選手は先日10月9日の北陸電力戦で2000セーブを達成された。
これはもっともっと皆に知られるべき記録で男女通じて、史上最多になる大記録だ。
そして今もその大いなる挑戦は続いている。
JHL公式で取り上げて!
そんな関口選手の似顔絵を描いた縁から私は今シーズンはレガロッソの似顔絵カレンダーを描いている。
我流の自由帳のお絵かきレベルの私の絵とて誰か一人でも喜んでくれたら描く甲斐があるというものだ。
初めて描いたカレンダー。テーマはお月見。
サイズ感がめちゃめちゃで散々だった。
現在7メートルスローランキング入りしてる21歳藤原選手と19歳高卒ルーキーながらしっかり頑張る立花選手。
この日も二人の活躍嬉しく見守った。似顔絵を描いたお二人の活躍が嬉しくて嬉しくて。
翌月はサイズを反省して山崎選手、玉井選手、堤選手。玉井選手、堤選手はレガロッソでも欠かせない存在だ。山崎選手のプレーも早くみたい。
似顔絵を描く時、顔の造作はもちろんのこと、私はその人の人間性を見て書きたいと思う。
今シーズン、レガロッソが近所で試合をする機会は今回が最後なので是非とも観戦したかった。
話が逸れるのだが、日本ハンドボールリーグを観ていて、すばらしいプレーすばらしい人間性を多々観せてもらっている。
しかしながらわずかではあるが、
「この行動は我が子にはして欲しくないな」
と思う行動もある時がある。
人間として何を考えているのかわからない行動をみるととても残念な気持ちになる。
ハンドボールを我が子にさせている親はハンドボールがうまくなること以上に我が子に豊かな人間性を育てたいからだ。
まあ子どもも判断力はあるので
「今のヤバいやつ。」
と言って鵜呑みにはしないが。
凡人の母親のささやかな望みだが、選手達はそのことを覚えていて欲しい。
どんなに試合で活躍しようと、どんなに試合に出られなくても、日本リーグにいる選手達はハンドボールをする子ども達の憧れであること。
我が子のハンドボールチームから日本リーガーは誕生していない。しかし小学生の大会予選でよく名前を聞くチーム出身ってだけで近所の出身らしいってだけで、憧れの選手だ。
見られてる存在だと忘れないでほしい。
ハンドボールをする子ども達に豊かな人間性が育つように、最低限試合中は子どもが真似して困るふるまいは控えてほしいと願う。
話は戻り、逆に今日私は我が子に真似してほしいなあと思う出来事にたくさん出会った。
その中で特に2つの出来事を書きたい。
レガロッソは前半は本当によく戦ったのだが、後半の立ち上がりに点差が離れてしまった。
それでもレガロッソは声を出し必死で立ち向かっていた。最後まで気持ちを切らすことはなかった。
7メートルスローをとった立花選手には
「ゆきと!いいぞー!」と口々に。
キーパーの関口選手に変わり永瀬選手がゴールを守ることに。
永瀬選手は5シーズンぶりの復帰。
その永瀬選手がシュートをとめた。
するとベンチにいた、堤選手がとびきりの笑顔で
「永瀬さん!ナイスキー!」
と大きな声で声をかけていた。
堤選手はほとんどずっと試合に出てずっと声を出してチームをまとめていた。それなのに本当にすばらしい笑顔でチームメイトをベンチで盛り上げた。
また新人の山田暁央選手が先輩たちにしっかり意思を伝えていたのも印象的だった。
自分の意見を伝えていけるのは山田選手の良さでもあるし、新人は意見するなではなく皆の意見を存在を尊重しているチームだと感じた。
我が子のチームは今は決して強いチームじゃない。負けることだって多い。
ハンドボールに限らず、人生はなかなか上手くいかないことばかりだなと私は思ってる。
そんな時、我が子には堤選手みたいな人でいてほしい。
堤選手ばかりではない。
文章の構成上、見つけた良さを全て書くことはできなかったが、楳木選手、佐藤選手も大きな背中で頼もしかった。玉井選手、西山選手の責任感、他にもたくさん。
うまく言えないけどレガロッソ、いいチームだな。
いいチームがこれからどうなっていくのか、ますます目が離せない。
次に現地観戦がいつになるかわからないけど、もっともっといいチームになったレガロッソがみたい。
そしてそんな場面が見られたのも豊田合成さんがすばらしい会場を準備してくれたから。
両チームのますますの躍進を心から願っている。