別れのその先
彼と別れてからの話
長い間ずっと一緒にいたから彼がいない生活が慣れなくて悲しくて本当に辛い日々を送った。
彼が私のそばにいた6年近くの時間、私は彼を最優先に過ごしてきた。
友達の誘いも、会社の同僚の誘いも断って、彼との時間を大切にしてきた。
そんなに大切にしてきた6年間を、"女としての魅力を感じなくなった"という一言で全て終わらせられてしまった。
彼が抱えている金銭的な不安や彼自身の性格の問題、私の性格の問題は私の気持ちや物事の捉え方でいくらでも解決できる。
でも、彼自身の性欲については私自身ではどうしようもない。
関係が少しずつ減っていっているのには気付いてた。
でも、結婚しても歳を取ってもイチャイチャしている夫婦なんて稀だと私が考えていたから、関係が減っていっていることになんら問題だと感じでいなかったし、むしろ家族になっていっているんだという安心感すらあった。
元からそういう行為が好きではない性格だから、そういう行為をしなくても一緒にいて安心できて、通じ合える関係に満足していたし、こういう関係だからこそ夫婦になれると思っていた。
けど彼は違った。
そういう行為がない時点で、私を女だとみれないと言った。
私の価値観で、家族になるんだからそうなっても仕方ないと話だけど、でもまだ家族じゃない。と言われて、何も言えなかった。
家族になって行ってると感じてたのは私だけだった。
彼の気持ちはもうどうしようもできないことだからもう諦めるしかないと思ったとき、突然孤独になった。
約6年間、私は彼との時間を大切にしすぎたあまり、友達や同僚との時間を蔑ろにしてきた。
遊びや飲みに誘われても、用事があると言って断ってきた。
自分から誘うこともなく、偉そうに暮らしてきた。
孤独になって1番に感じたのは、そういう縁を大事にしてくるべきだったという後悔だった。
1人ぼっち。
そう思って過ごしている時間が辛くて苦しくて、一番最初に連絡したのは専門学校の友達だった。
性別は違うものの、本当の友達だと自信をもって言える人だ。
彼は奥さんとの時間も大切にしながら、私との時間も大切にしてくれた。
私が彼と会う時間を許してくれて見守ってくれてた彼の奥さんにも本当に感謝してる。
彼は仕事や奥さんとの時間に忙しくしているにも関わらず、出張と出張の間を縫って時間を作ってくれた。
LINEで荒れている私を見かねて、私に会う時間を作ってくれて、私の気持ちを聞いてくれた。
本当に感謝してる。
彼氏と別れる前に、彼氏と一緒に紅葉を見に行く約束をしてたから、わざわざ有給を入れて長期連休にしてたにも関わらず、別れてしまったからただただ暇な連休になってしまった。
寂しさと悲しさから会社の一つ上の先輩を飲みに連れ出してしまった。
ちょうど引越しの期間を迎えていた先輩は、手続きやらで忙しくしていたし、家が遠く離れた地になってしまったので、飲みに行くとなると泊まりがけの覚悟になる状況だったのに、私の誘いにすんなり応じてくれた。
私が別れた話をするもんだから心配して朝まで付き合ってくれたし、慰めの言葉もたくさんくれた。
ちょうどこの時期に結婚式の連絡をくれた専門学校の後輩は、12月から新しい職場に転職、かつ、結婚式というとてつもなく忙しい時期を過ごしているはずなのに、私が、彼氏に振られたっていうと、昼のみでもいいから行きましょう!と誘ってくれた。
人生で1番幸せで、人生で1番忙しい日々を送っているはずなのに、人生で1番辛い日々を送っている人のために時間を作ってくれたことが本当に救われた。
これまで、土日は彼と過ごすために生きてきたのに、急に予定がなくなった私は、誘われた飲みには必ず行くようにしてて、たまたま飲みに誘ってくれた会社の先輩は、奥さんととんでもなく仲良く暮らしていて、私の理想の夫婦だった。
一緒に飲む相手もいなくて、1人で寂しく飲んでたら、ちょっとした恋バナになって、振られた話をした。
私のことをすごく励ましてくれたし、奥さんとの話も恥ずかしがりながらたくさんしてくれた。
こんなにも奥さんが好きで一緒に飲んでるはずなのに、私のために元気付けるLINEをする時間を作ってくれたことに感謝した。
そして、私の会社の後輩も、たぶん、たまたまなんなろうけど、年末の飲み会の予定を組んでくれて、それに私も誘ってくれて、本当に嬉しかった。
たまたまだとは分かってるけど、後輩が私を呼びたいと思って呼んでくれたことには本当に嬉しいという言葉以外見当たらなかった。
今までの人生、こんなにもみんなのこと蔑ろにしてきたし、ひどい態度をとった人たちもたくさんいて、それなのに私が辛くなったらすぐ縋って本当にひどいやつだなって自分でも分かってる。
それなのに、私のことをこんなに大切に思ってくれている人がいて、私のためにこんなに時間を作ってくれって人たちがいて、本当に人に恵まれてきたなって周りの人たちに感謝しかない。
今回の件で私は自暴自棄になって、私なんかが生まれてごめんねって親に思いながら泣いていた私が、こんなに他人から愛される人間になっていたことに対して、産んでくれてありがとう、こんなふうに育ててくれてありがとうって気持ちが止まらない。
こういう経験をしたからこそわかるこの気持ち。
これが私が気づかないといけなかったことなのかな。
この経験から学んだこともたくさんあった。
辛いけど、乗り越えた先には絶対いいことがあると信じて…