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【読書考察レポ】メディアに流される、とは

ちょいと今回は長いです。
ここ一年以上は延々考えてるテーマ「流される」ことについて。


2年半前に戦争関連の本を読み始めてしばらくして出会ったのはコチラ↓

『そしてメディアは日本を戦争に導いた』
保阪正康 半藤一利

昭和史研究家のお二人による対談。


過去から学ぶために歴史を知る事も大事なんだけど

本来戦争なんか誰だって嫌なはずなのに
そんな国民がどう流されていったか?

というちょっと変わった視点だけどとても大事なテーマの内容です。
自分たちの意識を見直すのにはすごく良いなと思いました。
(読んだのはかなり前だったから記憶はうっすらだけど)



この本を読んでから、「人はなぜ流されるか」という事をずっと考えている。

何にしてもだけど「真実」に辿り着くというのはかなり不可能に近いくらい困難な事だとは思うのですが、それでも「流されないこと」というのは最初の試練だと思うんです。

一度流されてしまったら立ち止まって見直す、とかなかなか出来なくなる。
お上が「戦争をやりたい」と本気で思った時に終わる。

「流される」って事自体がもう自分の頭で考える事の放棄であり、指導者か周囲の多くの人たちに合わせる指示待ち状態で動く状態なわけで

それの何がいけないかって、結局戦争も虐殺もいじめも差別迫害もみんな流された人たちの集団暴走によって起きているなと。



話は戻って本の内容ですが
この中で特に印象的だったのは当時のメディア「新聞記事」の話



新聞記事も最初の頃は戦争反対を訴えるところも多かったらしい。


しかし、戦争反対を訴えるよりも、戦争を煽る記事の方が売上が良かったらしい。

そうしてそのうちどの新聞社も戦争を煽る記事ばかり書くようになったそうだ。

気づけば国民の意識もそうして大日本帝国万歳!的な思想に塗り替えられていった


みたいな事が書かれていたはず
(記憶を辿ると)



まあ、徐々に言論統制されて行った、とか色々な背景も相まってだろうけど、まんまとメディアに煽られておかしな方向に行くことは今に至るまで余裕でありますのでね。
その性質はいつまでも変わらないなあと思う。



本当に今のメディア(と社会との関係)の仕組みと変わらない。
と、のちにメディア論多めな森達也を読むようになって知る。
(相変わらずの森達也漬け)


結局メディアは売れるものしか発信しない。
国民が求めるものじゃないと売れない。
真実や正義よりも。


『メディアと国民は鏡面関係にある』と、森達也さんは色んな著書で言ってるけど、確かにそれだよなと思う。

勿論『印象操作』というものもあるだろうけど何だって一枚岩ではない。
物事にはいろんな面があるものだし、どちらにも目を向けるべきかと思う。


印象操作、と国やメディア、責任者だけを責めてるだけでは、人々は反省せずに流される体質は永久に変わらない。
って事は本当に肝に銘じておきたい。


「何故人はメディアに流されるのか」を知っておく事はとても大事かなと。

だって、私たちは流される側の人間なんだから。
そこにやるべき事、出来る事があると思った。


で、どうやって流されて行ったか
それこそ「危機管理意識」の引き起こす行動なんだけど(森達也さんの著書でよく解説されている)「ああ、コレかな」って思った事がある。

以前noteの記事でも書いたんだけど、意識に現実を合わせようとするってやつ。

意識と現実がかけ離れてるのを不快に感じる人の心理が根本にあり
そんな人々の不安や危機管理意識が高まった時の行動。

それが「危機を感じる時ほど危機を煽るものばかりをついつい見てしまう、求めてしまう」という心理メカニズムが働いてしまったのかなと。


だから戦争を煽る記事にばかり関心が集まってしまったのかも。
そうこうしてるうちに「たぶん」「かもしれない」な情報の中で仮想敵を作り上げて自衛意識が過度に働き「戦おう」となる。
それは、今まさに日本で少しづつ起きかけてる。


じゃあ、この部分を押さえて自覚しておけばみすみす煽られて流されにくくなるんでないかな?

極限の危機意識を抱えちゃうとそれどころでないかもしれないけど。
そんな単純ではないかもだけど。


と、延々ぐるぐる色々考えております。


途中で森達也方面に行ってしまいましたが笑
そして、メディアは日本を戦争に導いた』
この本は戦争を知る上でとても良い内容でした。
当時の自分の中ではかなり目から鱗だった。
歴史以外にも、根本の人の性質を理解する必要もあるなーと。
(戦争を知るのって果てしない)


でも、やはり知識だと思う。
知ってれば流されない。流されにくくはなる。
青酸カリ飲めと言われても絶対飲まないし笑
それは知ってるからだ。
知らないから流される。
知識があれば知識に従って判断できると思う。

知らない事だらけならば学ぶ事でカバーする。

読書は人生経験だ
(THE・母の受け売り)



ちなみに、集団暴走同調圧力などの心理、行動メカニズムに関してはやっぱり森達也の説明が良いなと。
分かりやすくて腑に落ちる。


どの著書にも大体そのテーマの話が出てくるけど、流されない自分を作るにはやはり多面的に物事を見れるようにならないとな、と思う。


今のところ良かったのはこのあたり⬇️📕


以上、流される流されるとばかり言ってましたが「流される」は何も主要メディアだけではなく、逆に国や社会に反する方の考えを持つ人たちも同じで。


もちろんそれは私も同じ。
自戒も込めて書いてます。
私も気を抜くとすぐ流される。
「あ、今流されてたな」とかよく思ったりする。

まあ、正しい道なんて分からないし完璧になんか出来ないのだけど、自分の頭で柔軟に考えて行動できるようにはなりたいなと思う。

このテーマは奥が深いのでまた別角度からも書けたら良いなと思います。

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