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❦にゃんが守ってあげよっか? 〜 Murmure de Bastet ミュルミュール ドゥ バステト 〜
♢♢テーマイメージ♢♢
チリリン、チリリン──
機嫌の良さそうな音色を風に乗せて、
小さな道の片隅で鈴の音が軽やかに響く。
真っ直ぐに伸びる自慢の尻尾を掲げて、
心地良い光を感じつつ慣れた道を行く。
そう、パトロールにゃ。
暖かい陽気の中でのお昼寝は大好きでも、
パトロールの日課は欠かせない。
何故なら、猫は家を守るものだから!
爪の準備だっていつでもバッチリにゃ。
にゃん達のように大きな瞳も、
カワイイ三角の耳も持たない人間は、
きっと目も耳も遠いに違いない。
美しい毛並みさえも持たない人間は、
なんて憐れな生き物だろう。
まったく仕方ないのにゃぁ。ふふん。
──ねぇ、にゃんが守ってあげよっか?
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〜ミュルミュール ドゥ バステト〜 イヤーフック
(minneリンク画像)
前回に続けて、エジプト神話からテーマを持ってきました。
“家の守り神” たるバステトのイメージです。
猫は現代では愛らしいイメージの強い動物だと思いますが、猫をモチーフとするバステト神は、獰猛な一面を持つ母性を象徴する女神です。
バステトは「ブバスティスの女主」という意味を持ち、名前の通りその始まりはブバスティスの地方神で、雌ライオンの姿だったそうです。発祥がライオンの姿であったためか、攻撃的な一面を持ちます。
やがてバステトは破壊神セクメトなど他の女神達と同一視され「太陽神ラーの目」という別名を持ち、人々を見守りながら時に罰する存在として語られるようになりました。
バステトは「王の乳母」としての役割も持ちました。その獰猛さが母性と合わさり、蛇の首をはねる雌ネコという勇姿でも表現され、危険から子供を守る強力な「家庭を守る神」となりました。
更に時代が流れると、音楽と享楽の神としても語られるようになります。また猫が多産の動物であることから、豊穣・豊作の象徴でもあるようです。
強くて可愛くて、美しく楽しい女神。
バステトが現代の様々な物語でも登場する理由がわかる気がしますね。