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【詩】Him All Along

瓦礫の散り乱るるかつて城たりし廃処に朝陽さし
西の方未だ暗き天に漂ふ雲の偶(たま)さかに月渡りゐる
黄金に溢れし天主に響きたる宴の喚声は
魔窟に臥する者らの忘我の溜息に替はりたり
頬切り流るる冷気を五体にあびて歩む彼に
縁ありし人々の幻となりて顕はれまた消ゆる
天地の凍てつきゐ音絶ゑてすでに数刻
凝らす眼に道は冴ゑてなほ遥なり
[inspired by Gunna]

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