FF16 感想【後半ネタバレ有】
FF16をクリアした。
とりあえず、めちゃくちゃ面白かった。ここ最近大したRPGをやっていなかったのもあり、いい感じにRPG欲が満たされた気がする。
PS5版が1年以上前に出てるだけあって周りでも既プレイ勢が多かったので、主にそういう人たちに向けた感想です。今から買う人はネタバレ踏む前にやった方がいいと思う、多分。
後、後半ネタバレありとか書いたが前半も微妙なネタバレが含まれているので、気にする人は注意。
買うまでの経緯とか
まず、大前提として自分は「ファイナルファンタジー」超エアプである。ナンバリングはせっかく1~6まで買ったのに3で気力がなくなってやめたり、10のガビガビ画質ダンスに萎えてやめたり、13を起動すらせずにライブラリに積んであったりしている。オンラインゲームの14から入って、クリアまで行けたナンバリング作品は1,2,12だけ。マジで過去作のことなーーーーんにも知らん。14プレイ中に何回ジジイ共に歴史マウント取られたか分からん。
じゃあなんで買ったんだと言われると正直特別な理由はない。なんとなく話題になってるしなあ…ってくらい。事前評判では結構酷評されてるイメージだったので面白そうだから買お~ってテンションでもなかった気がする。
なんで買ったんだ…?
多分、ノリだと思う。
ゲームはノリで買え。
システム
プレイ中に最初に感じたのは「これ…思ってるようなRPGじゃないな?」だった。ほぼ一本道のフィールド、広いけど特に探索要素のない世界、どんな活躍をしてるのかよくわからない味方、多様性がありそうでない装備とスキルボード…って感じで、従来のRPGの良さは無いな、というのが正直な感想だった。
そんな訳で初めて3,4時間くらいでRPGを遊んでる感覚は消えた。これ豪華な映画にアクションが付いてくるんだ…!すげえ!って気持ちを切り替えて楽しむことにしたのは結果的に正解だった、気がする。
戦闘面に関しては後述するが、探索要素がほぼ排除されているのは自分としてはかなり好印象だった。最近のゲームのミニゲーム祭りとか謎パズルとか宝箱マラソンとかに自分としてはかなり辟易していたので、無駄な要素を入れずにストーリー楽しんで欲しいんだな〜って気持ちが伝わってきた。このゲームはストーリーと戦闘がめちゃくちゃ重いので、それに加えてフィールドの隅々まで歩き回らされたら本当に発狂していたと思う。
その他システム面ですげえ!って思ったのは「アクティブタイムロア」。これは要はムービー中とかに特定のボタンを押すと「はいこの人はこういう設定ですよ〜」って説明してくれる機能なのだが、正直これが一番ありがたかった。
何せ横文字が無限に出てきたり昔出てきたキャラが急に帰ってきたりするので、そういう時にその場ですぐ見返せるこの機能は最高だった。用語集とかは色んなゲームに搭載されているが、ムービー中にリアルタイムで説明が見れるゲームは珍しいと思う、全ゲームに付けてくれ。
余談だが、画期的だなあ!ってVCで騒いでたら「それグラブルバーサスのストーリーモードに採用されてますよ」って言われた。そんな事ある?
これも含めて、クエストクリア後にワープする機能があったり、戦闘自動モードみたいなのがあったり、未クリアクエストの場所まで飛ばしてくれたり、ストーリー中定期的に今の世界の状況はこうだよ〜って説明を挟んでくれたり、色んな所に配慮が行き届いたゲームだなあ!と思った。思ってしまったせいで後半ムカついたけど。
戦闘(クライヴ)
これがこのゲームの半分を占めていると言っても過言では無い。ヤバい。
戦闘の流れとしては相手をスタンさせてその間に高火力を叩き込む…だけなのだが、アビリティや召喚獣に個性が多くてかなり楽しめた。
セットする召喚獣によって機動力が高かったり、空中戦が出来たり、ジャスガのリターンが高かったりと大きく戦闘スタイルが変わり、戦闘中やる事がずっと同じじゃないのは良い。
個人的な好みにはなってしまうが、ジャスト回避を主軸とした戦闘も好き。ジャスト回避強化のアクセを付けると一々エフェクトが入るのはやや鬱陶しいが、ちゃんと敵の攻撃モーションや予兆がしっかり作られているお陰でジャスト回避はとても狙いやすかったように感じた。的確にジャスト回避が出来ればずっと殴りっぱなしでボコボコに出来るのでめちゃくちゃ爽快感があったし、召喚獣のアビリティもカウンター系のスキルはかなり強めに設定されていたのでジャスト回避を狙うだけで自然に戦闘をスムーズに進められた。
ちなみに終盤はカウンター狙いすぎて普通に死んだ。もしかして騙された?
そして何よりもエフェクトがド派手なのが最高。感性が小学生で止まっているので、もう最初のフェニックスのアビリティを振り回してる時から楽しかった。全召喚獣カッコイイ大技もあってひたすら厨二心を擽られるような戦闘だったと思う。クライヴカッコイイし。
終盤になってくると召喚獣を切り替えまくるパーフェクトクライヴで無双するゲームになる。そういうの、大好物です。ありがとう………………カッケェ………………
とはいえ褒められる部分ばかりではなく、最大の欠点は単調さだと思う。
さっきたくさんのアビリティがさぁ!とか言ったばっかだが、それはあくまでも序盤の召喚獣がどんどん増えていく時だけの話であり、5体目の召喚獣を貰ったくらいからほとんど戦闘の流れは
アビリティ全部使う
↓
ジャスト回避で召喚獣の固有アクションゲージ貯める
↓
ゲージ吐きながらLBとゲージ削り用のアビリティ使ってスタンさせる
↓
スタン中に高火力アビを連打する
で統一されてしまった。ボスも雑魚も関係なく。
ここが凄い惜しいな〜〜〜と思ってしまった。16は(多分)属性システムも採用されていないので、本当に全敵にやる事が同じ。
それならそれでボス側に弱点だったり特定の攻撃をジャスト回避するとゲージが大きく削れる固有の仕様を入れるとか、そういう感じの工夫が欲しかった。
それに付随して、召喚獣アビリティの付け替えのめんどくささも戦闘の単調さの原因だと思う。明らかに集団戦向けのアビリティやボス向けのアビリティがあったりするのだが、まずこれの付け替えが戦闘中に出来ないせいで、ボスが出そうだな〜って時に手動で切り替える必要がある。後、そもそも集団戦→ボス戦で繋がっている戦闘もかなり多いので、後半は両対応できそうな無難なアビリティ構成にせざるを得なかった。
せっかくプリセットが用意されているのでボス戦と雑魚戦で自動切替とかにしてくれればもうちょっと単純さも改善されたのかなあ…と思いながら後半はプレイしていた。
まあ色々言ったが、総合して見ると戦略面でもエフェクト面でもとても面白かったと思う。多分まだ自分も知らない謎の仕様がありそうだし…
戦闘(召喚獣)
今作の目玉(らしい、普通に知らずに買った)。ゲーム始めた瞬間にデッカイ召喚獣がドカドカバトルしていてめちゃくちゃテンションが上がったのを今も覚えている。
こっちはアクションゲームとしての面白さと言うよりシンプルに召喚獣を動かす楽しさというのに重きが置かれているな、と感じた。
操作方法や出来る事は少ないが、何かボタンを押す度にいちいち召喚獣がド派手に動くのでそれだけで楽しかった。特にジャスト回避成功した時とコンボフィニッシュの動きが好き。
毎回似たようなシチュエーションになるんじゃないか?とも途中から思っていたがそんなことはなく、ボス毎にクライヴ側のアクションが追加されたりロケーションが大きく変わったりするので単調さは一切感じなかった。
やってる事は全戦闘同じなのに飽きないのはすげえなって思った。やっぱエフェクトって大事なんだなって
また、必然的にストーリーの節目節目でこれが挟まれるので展開としてもアツい場面が多く、あんまり冗長さは感じなかった。逆にここがあっさり終わったらそれはそれとして盛り上がりに欠けてたと思う。ここ減らすよりムービー減らせ
やたらQTEが挟まれたような気もするが、プリキュアを応援する女児の気持ちになってボタンを連打出来たので楽しかった。書いてて情けなくなってきた いつまでも大人になれない俺はどうしたらいいんだ 助けて………
サブクエスト
このゲームで最もイライラした要素。
とはいえ全部が全部ゴミという訳では勿論なく、面白い話も多かった。でもそれを差し置いても許せない部分が幾つかある。
システムの項では触れなかったが、大前提としてこのゲームの移動はめちゃくちゃダルい。街中でちんたら歩くクライヴとか、肝心な所に置いてないワープポイントとか、チョコボ(かなり操作性が悪い)の乗り降りにいちいち挟まる硬直とか、吉田のお気持ちで消されたミニマップとか、まあ色んな要素が噛み合ってダルい。本当に。
そして上の方で書いた通りクエストを報告しに行く時はワープ機能があるのだが、何故か本当に報告時にしか使えないため、行きは普通にトコトコ歩かされる。
それだけでもまあダルいのだが、トコトコ歩いた先でクエストのパターンが
〇〇が欲しいなあ…取ってきてよ!
↓
取りに行ったら魔物に襲われた!うわぁー!
↓
倒して持って帰ったぞ!
と
あそこにやべー魔物がいる!村がやばい!
↓
倒してきたぞ!
この2つが大半を占めている。
それに付随する話が面白ければまあ許せるのだが、半分くらいはただのお使いなのでキレながら攻略していた。
後、サブクエを出すペース配分も狂っており、序盤〜中盤にかけては物語の合間合間で3,4個のサブクエが出てくるくらいなのだが、終盤にかけてその発生数がインフレしていき、ラスボスの直前では15個くらいのクエストが一気に生えてきたし、大半のサブクエに豪華なムービーが付属しているため全部消化するのに4時間かかった。舐めてんのかマジで
しかもその中に本当に大事な話をするサブクエとただのお使いが入り交じってるせいで避けて通る事も出来ない。最悪。
サブクエに関してはまあいくつかの話は面白かったから…という最低限のフォローしか出来ない。せめてもうちょいテンポが良ければなあ……
その他(評価点)
・良すぎるBGM
BGMは本当に良かった。ボス戦それぞれにイメージに合ったBGMが用意されており、ド派手な戦闘ともマッチしていてめちゃくちゃ良かった。ありがとう祖堅さん。
FF14の曲も好きな曲が多いのだが、あちらと比べてコーラスが入ってて壮大な曲が多くて雰囲気ととてもマッチしていたと思う。
・グラフィック
ムービーもフィールドも令和のゲームだった。水の質感がすごい。
全体的に暗いフィールドが多かったのが気になったが、フロムソウフトウェア様に調教を受けているので嫌だなとは感じなかった。
それよりも終盤フィールドの雰囲気がガラッと変わってきれいな草原とかがなんかモヤモヤしてしまった方が残念だった。まあRPGなんてみんなそういうことしがちではあるが…
・トルガルがかわいい
かわいい。
その他(気になった点)
・ムービーとロードが本当に長い
多分46時間のうち25時間くらいはムービーかロード画面を眺めている。グランブルーファンタジーが無かったら危うかった。
・ミニマップがない
街を歩きながらいちいちマップ開かされるゲームのどこに没入感があるんだ なあ
・拠点内のファストトラベルがない
拠点は微妙に広いうえに隅から隅まで回らされるのでファストトラベルないのはシンプルにストレスだった。
細かいところに配慮が行き届いている分気が遣われていない部分がほかのゲームより目立っていたと思う。
ストーリー
ここからめっちゃネタバレなので注意。
とはいえストーリー中に撮ったSSはほぼないので画像のネタバレは一枚だけ。
・めっちゃ嫌な世界観
初手から奴隷(ベアラー)が迫害されてるシーンとか実母にボロカスに言われるクライヴとかクライヴの身内が殺されまくってて嫌だ~~~~!!!(嬉しい悲鳴)って感じだった。
それをムービー内の細かい視線の運びとか、モブのざわつきとかで表現してる時点で(映画やん…)と思ってしまった。なんというか、ゲームによくある序盤の説明セリフ祭りがないだけでこんなに違うのかあ…と思った記憶がある。
嫌な世界観は序盤だけじゃなくて途中の村とかサブクエでも続いており、その辺の村に「子供がベアラーだったから処理して貰ったわ~」とか平然と言ってる会話を聞かされたり、友達が実はベアラーだったから殺してこいとか頼まれたり、めちゃくちゃやるやん…と思っていた。差別とか迫害を生々しく描いててニコニコしてしまった。こういう世界でなんとかもがこうとする人を見るのが性癖なのかもしれん。
ベアラー関連だけでなく、国交も普通に最悪だった。自国ヤバいから自治領荒らすわwとか平然と言う人が国のトップをやってるんですか?なんで??
ゲーム内では散々クライヴが大悪人だのなんだの言われるが、悪役どもがカス過ぎてどっちが悪人じゃいと思っていた。
でもよくよく考えたらマザークリスタルぶっ壊し行脚のせいで生活に苦しんでる人が居たりしたのか?直接クライヴが文句言われるシーンがあんまり無かったせいでよく分からなかった。
総じて、この嫌な世界をぶっ壊そうぜ!みたいな目的が物語中一貫してあるのだが、エンディングで全てを放り投げて終わったのは普通に納得が行かなかった。
後でもまた書くが、差別は良くなくってさあ!みたいな事を言いたいならそれを解決後の世界もちゃんと書いて欲しかった。
・強過ぎる召喚獣
序盤から召喚獣同士の戦いが何回も繰り広げられるのだが、その召喚獣達が本当に強い。モブ兵士たちが突進して為す術もなく吹き飛ばされていくシーンを何度見たか分からん。
シヴァのドミナント(ジル)が序盤めちゃくちゃ雑に扱われてたの、今思うと(正気か…?)という感想しか出ない。普通にジルもあそこで上手いことやれば国1個乗っ取るくらい出来たと思う
FF16はカッケェ召喚獣が大暴れする小学生ゲームと激重な設定の戦争を交互に見せられるデジタル交互浴なので、他のゲームよりも召喚獣大暴れシーンは見ててテンションが上がった。
最後のイフリート&フェニックス&バハムートVSアルテマのシーンは集大成に相応しいバトルで、無限サブクエの刑から開放された喜びも相まってFF16で一番盛り上がった。
余談だが、召喚獣バトルは基本モーションが作り込まれていてかっこいいのにタイタンの腕を二足歩行でドタドタ駆け上がっていくイフリートだけは普通にダサいな、と思った。
あれもうちょっと何とかなりませんでしたか?
・濃いサブキャラクター達
メインキャラよりも遥かにキャラが濃いサブキャラが大勢居たのも印象的だった。
サブキャラの枠に入れるかは怪しいがガブがいい人過ぎて泣いてしまった。最初は印象悪かったのにちゃんと我を持って世界と戦ってて眩し過ぎた。すげえよ………お前…………
後ルボルも好き。最初から嫌なこと言ってる風で正論しか言ってないし、後日談でカス共に石投げられても受け入れて許したのすげえなって思った。多分FF16で一番いい奴だと思う。いい奴、すき。
この2人に限らずサブキャラの人達はみんな″我″を強く持ってていいな〜と思ってしまった。周りの都合で信念(笑)がコロコロ変わるキャラが嫌いなので自分を貫き通す皆さんが眩しかったです。
↑ジジイの感想過ぎる
・数々の投げっぱなし設定
ここからちょっとマイナスな話。
多くを語らないのが美学みたいな話はよく聞くが、それにしてもメインストーリーで語られない設定が多すぎると思う。最近も某金のレガシーで″教養″が話題になっていたが、本作でもそれを感じる部分が結構ある。(ちなみに黄金のストーリーは飛ばしたので人のネガキャンしか聞いていない)
いちいち挙げてくとFF16ネガキャンnoteになってしまうが、
特に代表的なのはトルガルのフェンリル覚醒シーンだと思う。
トルガルが主のピンチでなんか変身して強くなった!!→でも今はそれどころじゃないぜ!
から完全にスルーされたの流石に笑ってしまった。ずっと一緒に戦ってきた相棒が新たな力に目覚めるアツいシーンなのにそんな事あるか??
一応この設定はサブクエで解説されるのだが、いやそれはメインに入れろよ…と思ってしまった。メインに特に意味の無い買い出しを挟んでこれを弾いた理由がよく分かりません。
サブクエで語られるならまだいい方で、本編で匂わせて出てこなかった要素も数多くある。(リヴァイアサンとか) まあその辺はDLCやったら分かるのかもしれない。知らんけど。
・投げっぱなしエンド
まさかエンディングも投げっぱなしで終わるとは思わなかった。クライヴが激戦の上に死にかけました、拠点ではジルが泣いてます、エンドロールの後には平和な世界でジョシュアが書いたおとぎ話を読んだ未来の子供達が…みたいな流れで、はぁ??となってしまった。
差別を無くす話は……黒の一帯を救う話は……結局どうなったのでしょうか……
最後のシーンは明らかにクライヴの生存を臭わせているので、そこでクライヴの生存をチラつかせるならちゃんとエンディング後の世界を書いて欲しかった。
まあ書かないことで読み手の想像力が……みたいな話もあるとは思うが、それにしても限度があると思う。
まとめ
なんか読み返してみると悪口だらけになった。いや本当に面白かったんだって 本当に
なんでこんなに後から感想書こうとすると悪口が沢山出てくるんだ…って自分でも思ったけど、多分駆け抜けてFF16をプレイしたからな気がする。
プレイ中は次に貰える召喚獣も気になるし、ストーリーも気になるし、新しいフィールドのグラフィックも見てみたいしでガンガン進めて行けた。でも改めて振り返ってみるとん????ってなる場所が多かったゲームだとは思う。とはいえいちいち粗探ししてブツブツ言いながらやるくらいなら駆け抜け勢いプレイをオススメしたい。FF16は細かい部分を無視して突っ走るゲームなので
これやっぱ悪口だわ ワハハ
万人にオススメできるゲームとは言い難いが、自分はとても楽しめた。
DLCでお気持ちが増えたら追記するかも。