私たちと「遺影」たち。込める想い。 ~伊藤とEternal Photo
悠の遺影
31年と18日。
あまりに短く駆け抜けた、悠がこの世に存在した日々。
ウエディングプランナーとして、沢山の人を
全力で幸せにしてきた悠。
明るくて、なぜか気の合う、母違いの私の妹は、
こんなに早く、想い出になってしまった。
2024年1月21日。
祭壇の悠の遺影は、
昨年の5月に撮影したウエディングの前撮り写真だ。
沢山の花嫁を幸せにしてきた
ウエディングプランナーの悠が、
自分自身の幸せのために選んだウエディングドレス。
幸せそうな弾ける笑顔で、ピースをしている。
ほんとはこの春に結婚式をするはずだった。
ほんとはその結婚式で久しぶりに再会するはずだった。
幸せそうな弾ける笑顔で、ピースをしている悠。
綺麗で可愛い、幸せなその写真。
だから、その写真は、見るだけで切ない。
その写真を撮った日の、幸せの絶頂の情景を
誰もが想像してしまうから。
悲しさや無念さが倍増する。
悲劇を観るような涙になる。
悠だって、
ウエディングドレスの写真が遺影になるなんて、
絶対に思っていなかった。
最高に素敵な写真。だけど。
これじゃない。これは悲し過ぎる。
いつもの笑顔で、悠らしい写真。
見る人が、故人の笑顔を
優しい穏やかな気持ちで思い出せる。
その笑顔に、こちらも笑顔で語りかけられるような。
決して悲しくならない写真。
ーー 遺影は自然体がいい ーーー
永遠に。
葬儀もお別れ会も終えて。
今、嫁いだ妹の実家には、位牌もない。
そのかわりに、悠のお母さんが、
そっと切って持って来た悠の髪と
父のいちばんのお気に入りの写真が飾られている。
お酒が大好きだった悠らしい、
レモンハイを持った自然な笑顔の写真 ーーー
いつもの笑顔。悠らしい写真。
楽しかったね。幸せだったね。と語りかけられる写真。
誰かの幸せのために生きた悠の、31年と18日という
あまりにも短い生涯。
でも、本当に家族も驚くくらい、沢山の人に愛されて、
誰かのために駆け抜けた悠のために、
私が、何かを残したい。
漠然と思っていた2つの想いを形にする機会が訪れた。
Eternal Photo 新しい遺影のカタチ。