💛諺シリーズ⑯💛 「水は方円の器に随う」
● 水は方円の器に随う(したがう)
類義語:朱に交われば赤くなる、墨に染まれば黒くなる、水は入れ物に従う、人は善悪の友に依る など
英訳:Water leads itself to its vessel. / The human being is good or bad depending on environment.
<意味・由来>
四角い鉢に水を入れれば水は四角い形に収まり、丸い鉢に溜めれば丸く収まる。
それと同じように、周りの環境や付き合う相手次第で、人の性質は良くも悪くも変化する、ということ(出典『韓非子』)
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私は日頃 noteで、自分の好きな歌(日本語の歌中心)を紹介する記事を書いているが、とりわけ、昭和の演歌・歌謡曲の歌詞には、「好きな男性に気に入ってもらえる自分になりたい」という女性主人公の心理描写が頻出する。
たとえば…
「あなた好みの あなた好みの 女になりたい」
(「恋の奴隷」 作詞:なかにし礼)
「私に悪いところが あるのなら 教えてきっと 直すから」
(「涙の操」 作詞:千家和也)
こんな具合に、現代の男女平等社会・日本においてはタブー視されるような、「男性に媚びる女性の姿」が数十年前の日本の歌には多く見受けられる。
夫婦関係ならば、「夫唱婦随」という言葉が想起されるだろう。
ただ、夫婦関係・恋人関係の理想像が時代とともにどう変わろうと、人は身近にいる人、もしくは頻回にコミュニケーションを取る相手次第で、多用する言葉が変わったり、思考・生活習慣になんらかの影響を受けたりする生き物。
無論、それは男女の仲に限定される話ではない。
友人関係においても、どんな相手と親しく付き合うかで、思考パターンが変化することは往々にしてある。
自分ではなかなかその変化に気づきにくいが、付き合っていく中で「この人と一緒にいる時の自分が好きだな」と思えたら、恋人であれ、友人であれ、大切にしたほうがいい良縁、ということになるだろう。
反面、なんらかのストレスを感じたり、どこか無理をしている自分に気づいたなら、相手の器の形に合わせようと背伸びしている状態なのかもしれない。
人は付き合う相手の器の形に合わせることができるし、簡単に相手のカラーに染まったりもするが、「なんだか自分らしくないぞ」と感じる違和感センサーも持っているのだ。
そして、そのセンサーが発動したら相手と距離を置き、自分らしくいられる「別の器」を探し求めて、随ってみようとする性質も持っているはず。
このことを忘れないようにしたいものだ。
ちなみに、好きな男性の色に染まりたい、という女心を描いた歌として、以前「シルエット・ロマンス」をご紹介したので、ご興味ある方はご一読願いたい。
本日の記事は以上です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m