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一人ではできない発見
私はムック。30歳、無職、金なし。
パートナーが買ってきた本に
「教養としてのハイブランド: フツーの白シャツが10万円もする理由」というのがあった
読んでいいよ、と言われたものの、自分は特に服にもブランドにも興味はなく、さして興味なかったが、
パートナーが風呂に入っている間に、話になればぐらいで読んでみることにした
本の内容としては、
今までの服のトレンドは前代に反発する形で生まれており、上流階級向けだった服は、歴史と共に民衆に一般化した。その歴史の中で反発しつつも尊重できないブランドは衰退化した。どの時代もそうであり、なんなら日本も同じような系譜をたどっている。そうした一般化への反発と、ブランド化(名義貸し)の中で生まれたのが、いい生地のロゴ入り10万円のシャツということであった。
それらの【歴史分】が10万円だと筆者は言っており、それらを総合評価すると、ある意味トレンドに乗っているだけの10万のシャツを買う行為は、むしろ滑稽にすら思えたぐらいだが、実は話はそこにない。
私がその本の260ページぐらいあるうちの200ページを読んだあたりで、パートナーが風呂から出てきた
普通に20分弱でそれだけの内容を読み込む私に改めてパートナーは驚いていた(筆者は発達障害と、前職の関係で書物を早いスピードで読むのは得意である)
「あ、ごめんあと60ページだし、10分ぐらいで読めると思うから読んだら風呂入るわ。本は結論から書かれてるし、割と展開は読めてるけど」と
何気なく答えた私、
でも、と彼はそれに対してこういった。
「さすがあなたの読み込みスピードだけど、そんな本の展開を予測して読むの面白くなくない?結論でワクワクしたくない?」と言われた
確かに…と思ってしまった
筆者は大学院卒で、今はなきセンター試験を超える際も、大学院で書籍を研究する際も、前職で難しい公文書を読み込む際も、ずっとそうやってきた
効率的であるこの方法を疑ったこともなかったし、そもそもそうやって読みなさいとすら言われてきた。
でも、それこそ実際映画などでは、結末がわかってしまって、ガン萎えすることもあった
一方彼は高卒で、別に本を読むのもそこまで得意ではなく、それも、私のことを批判した発言ではなかった。むしろせっかく読んでくれるならもっと楽しく読んでほしいぐらいのつもりで言ったのだろう。
本当に頭をハンマーで殴られたぐらいの気がした。
こういう思考のクセとか習慣って一人じゃ気付きづらいことだと思った。
一緒に暮らしてれば不自由もある。だけど、そう言った身近な人だからこそ気づける、気づかれることもあるのだと改めて理解した。