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きみは、ひまわりのように。

「きみはいつも、ひまわりのように
光に向かって笑っていてほしい。」

って言われたことがある。

そう、これは昔のお話。


「出会ったとたんに、
 あぁ、この人に巡り合うために
 生まれてきたんだってわかったんだ。
 向こうも、そう言ってくれてる。」

という人に巡り合ったらしい彼。

数年間、私と付き合っていたけれど
いわゆる「ビビビ」とくる人と出会い
そっちのほうの手を握った彼から
別れ話をされている時に言われたんだけど。

え?この人バカ?

私はその時泣いていた。
ワーーーワーー泣いていた。
悔しくて切なくて
ノウミソ煮えたぎってたんだけど、


え?この人バカ?
これから別れる女に向かって
「ひまわりのように・・・・」とか言う??

ナニコレ??プッ!!

って冷静になって

それから泣くのがバカらしくなって

ゲスな笑いがこみ上げてきて
彼の目の前で腹を抱えて
別の意味の涙を流して笑った。

彼はそんな私を見て

「よかった・・・わかってくれて。」
と、言った。

(イヤ、チガウ)


この瞬間、
あ、別れていいんだ。
てか、別れた方がいいんだ。

って思った。

あれから毎年、
ひまわりはどこそこに咲いているけれど
私はいつも思う。

ひまわりって、首、キツそうよね。
だって、頭にたくさんタネがついてるから
よっぽど首を鍛えてないと
肩凝るよね・・・・って。
その細い茎も、しゃん!としてないと
花を咲かせることはできないんだねって。

笑っているだけじゃ、ないんだね?って。

笑っているように空を見上げながら
大地に根を張る。倒れないように。

ひまわりの偉大さを知ってから
ひまわりのようには笑えない。

それでも毎日なにかしら
楽しいことや嬉しいことがある。
ニヤリと笑う私は
何に見えるんだろうか。

「どこでだっていい。
 なんだっていい。
 笑ってくれりゃそれでいい。
 それが隣だったら、なおいいね。」

そう、それでいいのだ。

何にならなくても、笑っていれば、
それでいいのだ。




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