ファビュラス姉妹の妹分になる。
タナカサン、ウフフフフ。
こっちにいらっしゃいよ。
オホホホホ。
とてつもなくいい香りをムンムンに漂わせた
美しい姉妹から声をかけられた。
ま、眩しい!眩しすぎるぞ!逆光でもないのにっっ!!
目を凝らすと、そこにはファビュラス姉妹の御姿が。
手を取られて連れていかれた先は
なんだかもう、ムンムンのキラキラのフカフカな空間。
ここはどうやらファビュラス姉妹の居住地らしい。
私は竜宮城に連れていかれた浦島太郎の気持ちが
わかった気がした。ここから出たくないぞ。
すべてがゴージャスでファビュラス!!
でっかいフッカフカのソファにちょんもりと座った私に
姉妹は「タナカサン、ほら、朝食よ。フフフ」と言って
ワイングラスにタプタプ入ったすっぽんの血を差し出した。
いや、いらん。
激しく首を横に振る私。
それでもなんとか飲ませようとする姉妹。
その時、誰かにググっと背中を取られてしまった。
振り返ると、あの超有名な、噂の、
グッドルッキングガイが。
そして「タナカ、これ、ノメヨ。」と言う。
ふぉぉぉぉぉ!ガーーーーイ!!
グッドルッキングガーイに見惚れて口がぽかんと開いたところに
すかさずすっぽんの血を流し込まれた。
激しくむせた。鼻からも出た。ソファが血の色に染まったが
姉妹はそんなことも気にしていない様子だ。
きっとガーイがテキパキと後始末するのだろう。
それからその姉妹はおもむろに全裸になり、
私にも全裸になれと命令した。
これからエクササイズを始めるのだから、と。
いや、ならん。
激しく首を振る私。
それでも私の着衣を無理やりはがそうとする姉妹。
その時、ググっとズボンを下げられてしまった。
またもやグッドルッキングガイだ。
いやまて、グッドルッキングガイは全裸じゃないのか?
すました顔してタキシードだ。
これでは不公平ではないのか?と、姉妹に抗議したが、
「タナカはまだグッドルッキングガイの裸を拝む資格はない」
「百万年早い」と即、否決。
チッ!
まぁ仕方ない。私は
「私を全裸にして後悔しても知りませんよ?」
と、前置きしたうえで上着も脱ぎ始めたのだが
グッドルッキングガイの中で最も私の好みのタイプなガーイが
姉妹に何やら耳打ちした。すると即座に姉が
「タナカ、脱ぐのをやめてちょうだい」と。
せっかく脱ぐ気になったのに、なんでや。
「このガーイが、私たち姉妹の裸より
ファビュラスなものは存在しないから、
見たくもないって言うのよ。フフフ。」
ヒドイことを満面の笑顔で言う姉とガーイ。
だーかーらー、全裸になる前に、断りましたよねー--?
腑に落ちないが、このわがままボディを晒さなくて済んだ。
そのかわり、変なピンク色のピタピタしたやつを着せられて
姉妹と変なエクササイズをすることになったのだが
どうもうまくいかない。というか、
この変なピンク色のピタピタしたやつ、イヤだ。
そんな私を気にも留めず、姉妹は腰をぎゅんぎゅんに動かして
「ほら!タナカも!う・ご・か・し・てっ♪」と
ファビュラスなウインクをしながら言うのだが、
私の腰はちぃとも動いてくれない。
それどころかどんどん固まっていく一方だ。
ドウシヨウ。ウ・ゴ・カ・ナ・イっ♪
柱の陰からグッドルッキングガイが両手を広げて
んんっん~、ダメね、タナカ。ザンネン!
みたいな顔をしてこっちを見ている。
こっち見るな!野郎どもめがっ!
同情するならオマエたちも腰を振りやがれやっっ!!
私はカクカク腰を動かしながらガーイたちを睨みつけた。
ガーイたちはニヤニヤしている。
くっそぅ、いつか仕返ししてやるぞ。
30分腰をカクカクしても上達しない。
姉妹は私のダメっぷりに落胆したのか、
「この子じゃなかったみたいですわね、おねぇさん。」
「そうね、残念だけど。ピンクのピタピタもぜーんぜん
似合っていませんしね、オホホホホ。」
そう、私は「ファビュラス姉妹の妹分になろう選考会」に
自らの意思ではなく参加させられ勝手に落とされたようだ。
姉妹に声をかけられた通りまで、ガーイの一人に
送ってもらった私の腰と太ももはガチガチに縮こまっていて
家まで足を引きずって歩いた。ぐすぐすと泣きながら。
そして変なピンクのピタピタしたやつを着たまんまだった。
・・・ヒィ!また寝てた。安定のヨダレも。
え~っとぅ、夢占いをするとすればぁ、
どこをどう占えばいいですかぁ??