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ニワトリが先か、たまごか先か。


タナカサァン、オレ、腰がイタイんやがぁ。

情けない声をしてユウジロウくんが
私に言うてきた。
ユウジロウくんはもうすぐ40歳の営業さん。
とはいえ、毎日重いものを
運んでくれるお仕事だ。

細身の色白。髪の毛はツヤンツヤンで
うらやましい。
(これはハラスメントではなくて
心からそう思っている)

ユウジロウくんは、たまにそんな風に
自身の不健康を私にぶつけてくる。

肩がイタイだの、腰がイタイだの。
喉がイタイだの、お腹がイタイ、だの。

そして、どうしたら治るかね?と
聞いてくる。

いや、知らんがな。

そう思いながらも

ねぇ、基本的にさ、姿勢悪いよね?
座ってる時もさ、机に体重かけて
背中丸めてるよね?
てかさ、ごはん、肘ついて食べるよね?
しかもさ、足も組んで食べてるよね?
ってかさ、早食いだよね?
そのオヤツ、毎日食べてるけど何で??

と、疑問点を確認する私。

ユウジロウくんはあぅあぅ言いながら

オレ、昔から猫背やし。
でさぁ、腰が痛いけさぁ
楽な姿勢になるやん?
整骨院行きよるんよ?
ストレッチもしよるんよ?
でも治らんのよ?
何でと思う??

と、答える。
いや、知らんがな。

そして、私のことを
「こいつ、メンドクサイ」ってな
顔をして見つめる。

だってどうしたら治るかね?
って聞くからさ。

どうしたら治るのか考えてるんだって。

と、言いましても、

私は医者じゃないし
柔道整復師でもない。
鍼灸師でもないし
漢方医でもない。
整体師でもないし
理学療法士でもない。

ただのおばちゃんだ。

だから、
姿勢、治したら?
とか、
オヤツ、一日くらい抜いたら?
とか、
ストレッチ、変えてみたら?
とか、
ごはんの中身、変えてみたら?
とか、

言うことくらいしかできないのよ。

今のまんまだったら、
きっとずっと今のまんまだから。

そしたらさ、
だって、忙しいし
疲れてるし
家に帰ってから
何もできんもん。

と言う。

ほんと、知らんがな。

しかも、この会話は
もう何十回もしてるからね。

だからこの会話は
ユウジロウくんと私の
レジャー、ということにする。

ユウジロウくんは、ただ
不調を愚痴として言ってるだけで
私は、ただ
それを
ふんふん、そうね、そうなの。
かわいそうに、大変ね、頑張って。
とだけ言ってればいいんだ。

と、最近気が付いた。

そもそも姿勢が悪いから疲れるのか、
疲れるから姿勢が悪くなるのか。

それはわからないけれど、

自分の不調は自分が治そうと
しなければ治らない。
方法はどうであれ、ね。

明日もう一度
ユウジロウくんにお伝えしとこうと
思う。

大事なことだから
3回は言っておこう。

「生殺与奪の権を他人に握らせるなぁ!!」
(水柱だったっけ?)

といったところでしょうかね。
(あ、ちょっとチガウ??)


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