母上、きゅうちゃんを量産する。
きゅうりを斜めに切っておく。
調味液はお醤油、きび砂糖、穀物酢。鷹の爪。
調味液を沸騰させたら、きゅうりと
好みで生姜や茗荷も入れて、火を止めて3分。
ザルに上げてきゅうりが冷えるのを待つ。
きゅうりが冷えたらまた
調味液を沸騰させて同じことをする。
だいたい4回。サボれば3回。
工程はいたってシンプルだが、
時間だけがかかる。
(辛抱が足りない私はとうてい作れない)
そうして母上が時間をかけて作ったきゅうちゃんは
きゅうりを持ってきてくれたおじちゃんやおばちゃんの元へ
帰ってゆくのだ。
・・・・・・・・
夏が始まったころはいただきもののキュウリもありがたく、
「わー、夏だねー」なんて呑気にしていられるが、
それから数日も経過すると、あっちやらこっちから
「きゅうり、持ってきてやったばい」と
大量にやってくるようになる。
梅白だしで浅漬けを作ってみたり、
コチュジャンでピリ辛きゅうりにしてみたり、
ちくわにねじ込んだり、
ああ、もうこうなったら直接マッヨネイズをギュン!だ!
と、どうにかこうにか毎日食べる。
今日もきゅうり、明日もきゅうり。
きゅうり三昧といえば聞こえがいいが
本音を言えばきゅうり地獄だ。
きゅうりが恐ろしくてたまらなくなる。
そうなると、母上の出番。
「きゅうちゃんでも作るかねぇ」と言って
きゅうちゃんという名のきゅうりのお漬物を量産してくれる。
そうそう、これこれ。夏の味。
みんな母上が作るきゅうちゃんが大好きだ。
そして大量のきゅうちゃんができると本格的に、
夏ときゅうりの季節がやってきたなぁと感じるのだ。
とはいえ、それも美味しく頂くのも限度がある。
人間の口は贅沢にできているから5回も作れば
「飽きた」。
となる。
今日もきゅうちゃん、明日もきゅうちゃん。
これはもうきゅうちゃん地獄だ。
きゅうちゃんが恐ろしい。
・・・・・・・・
やっと消費したきゅうりたち。
それでも明日になったらまた
「コンニチワ」とやってくる。
そうだ、いいことを考えた。
河童を探せばいいのだ。
夜が更けたらきゅうりを持って
近くの川に行ってみよう。
~母上のきゅうちゃん~
★きゅうり1キロ
★お醤油300CC
★きび砂糖200グラム
★穀物酢50CC
★鷹の爪、生姜、茗荷は好きなだけ
(でも、実は適当に作っているらしい)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?