朝日新聞大阪本社13版Sの「北陸・三重」廃止?
※2021年7月25日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。
朝日新聞大阪本社の朝刊で最も早い版である「13版S」は従来、中国・四国地方と、北陸地方・三重県(伊賀、熊野)とで1面の天気予報を差し替え、版数表記でも1面では前者を「13版S」、後者を「13版S北陸・三重」と区別して表していました。
ところが三重県名張市で購入した7月24日付朝刊では、「13版S」表記となっており、天気予報も北陸・三重と中国・四国の各県庁所在地がすべて掲載される形となっていました。朝日新聞は7月1日に紙面リニューアルを図っているので、おそらくこの日から変わったのではないかと思われます。
かつての1面天気予報地点は次の通りでした。
中国・四国紙面 岡山、広島、鳥取、松江、高松、松山、徳島、高知、大阪、東京
北陸・三重紙面 富山、金沢、福井、津、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、那覇
新たな紙面では次の通りです。
富山、金沢、福井、津、岡山、広島、鳥取、松江、高松、松山、徳島、高知、大阪、東京
なお、関西のセット版地域向け紙面でも変更がありました。
変更前 大阪、神戸、京都、大津、奈良、和歌山、札幌、東京、福岡、那覇
変更後 大阪、神戸、京都、大津、奈良、和歌山、金沢、広島、高松、札幌、東京、名古屋、福岡、那覇
7月の紙面リニューアルは、東京本社紙面で「本日の編集長」の記載がなくなったことが一部で話題になりましたが、今回の「北陸・三重」表記の消滅によって版建てにも変化があったということが示されました。
朝日新聞は紙面製作の効率化を進めています。おととしには、1面を除く総合面での関連記事への誘導を示す箇所で具体的なページ数を書かず「社会面」「国際面」という表記に改めました。
発行本社間で広告スペースの都合で総ページ数は異なります。中の総合面も各本社で紙面製作をしていれば具体的にページ数を書けるはずなので、「社会面」「国際面」のような表記に変わったことは、東京製作の紙面に統一化したことを意味するのではないかと見ています。
広告の都合などで中面で今後も「北陸・三重」表記が登場する可能性が全くないとは言えませんが、発行部数の減少に歯止めがかからない中で、この種の紙面製作効率化は今後も進んでいくのではと思います。
【謝辞】変更前の天気予報地点については下記を参照しました。ありがとうございます。
(中国・四国紙面)くどけんの新聞放浪記「【新着コレクション046】朝日新聞 備後版」(2019.10.2)
(北陸・三重紙面)横浜新聞研究所のブログ「「10年後の『3・11』」の新聞②」(2021.4.18)