2023年の #ガンジツスゴクオモイシンブン 広告面比較
※2023年1月4日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。
新聞の収集や流通研究を趣味にする人の間で「ガンジツスゴクオモイシンブン」と呼ばれている新聞の元旦紙面は、企業広告も華やかなものが多くなります。新年にブランドイメージを打ち出す全面広告や、賀春挨拶としての名刺広告特集などに紙面の多くが割かれます。2023年の出稿状況はどうだったのでしょうか。
今回比較対象とするのは、大阪府東部で購入した次の5紙です。(カッコ内は地域面題字)
朝日新聞大阪本社14版(大阪 東部 河内)
毎日新聞大阪本社14版(大阪)
読売新聞大阪本社13S(大阪)
日本経済新聞大阪本社13版 ※地域面なし
産経新聞大阪本社14版(近畿 大阪)
広告面の状況
面の全てが広告に割かれている面を「広告面」と呼ぶことにすると、各紙の広告面は上のグラフのようになりました。1つの企業による全面広告のみならず、いくつかの広告に分かれているものや、各紙広告部門による広告特集等も含まれています。
本紙では、朝日、毎日、日経がおおむね記事面と広告面が半分ずつ。読売はやや広告面のほうが多く、産経は記事面が上回っています。
一方別刷では、20ページにわたる広告特集を掲載した日経で、広告面が記事面の約2倍に達している一方、毎日と産経は厳しい出稿状況。朝日は8ページの広告特集を含んでいますが、読売は広告特集なしで記事面を広告面が上回っています。
1社による全面広告
1社による全面広告(グループ企業との連名も含む)の出稿状況を見てみましょう。ここでは本紙掲載分のみ扱います。
まず出版関係では次のとおりです。集英社、小学館、講談社、Gakkenは企業イメージ広告、岩波書店はスピノザ全集、TOブックスは『本好きの下剋上』の商品広告でした。5紙全てに掲載したのは集英社のみでした。大手4社の一角、KADOKAWAは本紙全面広告を出稿しませんでした。
次に住宅関係です。積水ハウスと大和ハウス工業は5紙全てに掲載し、ヘーベルハウスは毎日のみ、飯田グループホールディングスは日経のみの出稿でした。
住宅以外の耐久消費財関係が次のとおりです。トヨタ自動車は見開き全面広告でしたので「◎」で示しています。トヨタの広告は「年初に読むべきトヨタイムズ記事10選」と銘打って、自社オウンドメディアの記事見出しを並べたものでした。パデックフィリップは全国の百貨店で行う高級腕時計フェアの広告。その他3社は企業イメージ広告でした。
また、自社系列会社・事業の広告は、毎日が毎日ハウジング、日経が日経FTスカウトアジアのものをそれぞれ掲載しました。
その他の掲載は次のとおりです。
朝日、読売、日経の3紙掲載 先端教育機構(事業構想大学院大学、社会構想大学院大学で1面ずつの見開き)
朝日、毎日、産経の3紙掲載 アマゾンジャパン
読売、日経の2紙掲載 JKA(競輪)、アシックス
毎日、日経の2紙掲載 東京海上グループ
朝日のみ掲載 岡崎学園グループ、JA全中
毎日のみ掲載 UPF(セキュリティー認証サービスの会社。旧統一教会とは無関係)、上宮学園(地域限定掲載?)
読売のみ掲載 大阪芸術大学、東京国際大学(見開き)、花王、日本財団電話リレーサービス、畿央大学(地域限定掲載?)
日経のみ掲載 四国化成、東和薬品、宝酒造、ジャニーズ事務所、三井物産、日本マクドナルド、日本レジストリサービス
産経のみ掲載 カネカ、牛乳石鹸共進社、クラブツーリズム、八光殿(地域限定掲載?)