2021衆院選新聞調査(5)産経新聞
※2021年11月11日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。
第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第5回は産経新聞です。
議席数グラフィクス自体が違う
産経新聞は大阪本社発行の13版B、14版、14版☆に加え、西部本部発行の九州・山口版11版の計4個版を入手しました。
福岡にある西部本部は、組織上は大阪本社の傘下ですが紙面は東京本社版をベースに編集しています。そのため、九州・山口版に掲載されている問い合わせ先は「紙面・記事」が東京本社、「販売・配達」の電話番号は西部本部、URLは大阪本社、「購読のお申し込み」は西部本部と入り混じっています。
さて東京本社紙面をベースにした九州・山口版と、大阪本社紙面とで違いが生じるのは当たり前ですが、議席数を示すグラフィクスと表のデザイン自体が異なるというのは他紙ではなかなかない現象です。
大見出しから立民外す大阪社会面
産経新聞の大阪紙面は、関西の地元ネタを他紙の大阪本社版にもまして優先する傾向が強いことで知られていて、有力な県紙が存在しない大阪では地方紙的な性格も持っています。
こうしたこともあってか、大阪紙面では第1社会面に維新、第2社会面に自民に関する大見出しが躍り、立憲民主党は大見出しから外れました。残議席が同じ九州・山口版11版と大阪13版Bを比べると、自民幹部が表情を硬くしている理由が違うように見えてきます。
支持者の熱気は消えたか否か
1面コラム産経抄は、開票に合わせて表現が修正されています。14版までは「自民党はなぜ大幅に議席を減らしたのか」だったのが、14版☆では「大幅に」が取れました。これに伴い、議席減の理由を14版までは「総裁選から1カ月しかたっていないのに、支持者の熱気が消えてしまったのだ」としていたのが、14版☆では「支持者の熱気がもうひとつだったのだ」とトーンダウンしています。
残り議席数
産経新聞は出口調査や推計投票率を共同通信配信のデータで報じており、ウェブサイト「産経ニュース」でも当選確実についても共同通信配信のものを使っていたことから、紙面報道でも独自の当確ではなく共同通信の判定を使っていると思われます。