2021衆院選新聞調査(2)毎日新聞
※2021年11月3日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。
第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第2回は毎日新聞です。
安定多数で岸田首相が笑顔に
毎日新聞で入手したのは大阪本社の12版、12●版、13版、15版、16版と西部本社の12●版、13版、16版の計8個版です。
大阪本社版で最も象徴的な差し替えは岸田首相の顔写真でした。13版までは口元を真一文字にした表情の午後10時撮影の写真でしたが、自民党が単独で安定多数を確保した15版以降は、午後10時23分撮影の笑顔の写真に差し変わりました。
西部本社版では13版まで岸田首相と立憲民主党の枝野代表が横並びになっていましたが、16版で位置が変わり、枝野代表は紙面下半分へ下ろされました。
記者論文は選挙翌朝恒例ですが、今回は中田卓二政治部長による「勝者なしという民意」(大阪本社版。西部本社版は「勝者なしという審判」)という記事でしたが、岸田首相の笑顔の横では少し座りの悪い内容となりました。
大阪本社版と西部本社版でのレイアウト、見出しの違いも注目点です。主見出しを白抜きとした西部に対し、大阪は白地黒文字で組んでいます。黒地がない分、大阪のほうが活字が大きくなっていますね。見出しにおける維新の扱いも、大阪本社版では地元の政党ということもあるのか16版で縦見出し1本目に昇格しています。
大阪社会面は「風」でまとめる
社会面は、大阪、西部とも第1社会面の見出しに与党の結果を、第2社会面の見出しに野党の結果を題材にとり、対になるようにしています。まず西部本社版です。各セル1行目が横見出し、2行目が縦見出しです。
一方大阪本社版は「風」をキーワードにまとめました。第1社会面左下、維新の記事の主見出し(表中各セル3行目)も加えて記します。
こうしたまとめ方はいかにも毎日新聞の遊び心という感じがします。