ロシアがウクライナ侵攻 当日の夕刊
※2022年2月27日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。
ロシアは2月24日、ウクライナに対し「特別軍事作戦」と称して軍事侵攻を始めました。プーチン大統領によるビデオ声明が国営テレビで放送されたのは、日本時間の同日正午前のことでした。在阪一般紙の夕刊の掲載状況をまとめます。
入手した夕刊
この日、仕事終わりに梅田、難波、天王寺を中心に駅売店やコンビニ等を回って入手できた夕刊は次のとおりでした。全国紙はいずれも大阪本社版です。
朝日新聞「4版◎」
毎日新聞「4版◇」「4版☆」
読売新聞「4版」
日本経済新聞「1版」「3版」「4版」
産経新聞「4版」
神戸新聞「4版」
ここで版数記号について解説を加えると、朝日の「◎」は一度作った版を破棄した上で新たに作り直す「取り直し」を意味すると推定されています。取り直しの場合、元の版(ここでいえば「4版」)は流通しません。
毎日の「◇」も同様に取り直しと推定されていますが、「☆」は元の版を破棄せず、追加で作った版、いわゆる「追っ掛け」と思われます。
なお「取り直し」「追っ掛け」といった用語は新聞社によって異なることもあるようですが、本ブログではこの言葉を使っています。
反映状況
この日のお昼のウクライナ情勢の動きを共同通信の速報ツイートを元に整理します。
12:19(プーチン演説)「ロシアのプーチン大統領は24日、国民向けにテレビ演説し、ウクライナ東部ドンバス地域で軍事作戦を実施することを決定したと述べた。ロシアメディアが報じた」
12:26(東部爆発音)「ロイター通信によると、親ロシア派が支配するウクライナ東部で24日、少なくとも5回の爆発音があった」
12:30(首都爆発音)「ロイター通信によると、ウクライナの首都キエフで24日、砲撃音に似た大きな音が複数回あった。目撃者の話として伝えた。実際に砲撃があったかどうかは不明」
12:42(NATO発言)「ロイター通信は23日、ロシアによるウクライナ侵攻は『始まっているとみられる』との北大西洋条約機構(NATO)当局者の発言を報じた」
12:48(侵攻開始報道)「米CNNテレビによると、ウクライナ内務省当局者はロシアによる侵攻が始まったと述べた」
13:01(東部侵攻報道)「ロシア軍がウクライナ東部へ攻撃開始と米メディア」
13:14(南部侵攻報道)「ロシア軍がウクライナ南部に侵攻とロシアメディア」
以上に、午前11時半の国連安全保障理事会開始のタイミングを加えて、各紙の反映状況をまとめると次のようになります。
朝日、読売、産経が侵攻開始後の版を作っているかどうかは不明ですが、通常の4版の時点では間に合わなかったことになります。
1面トップ見出しの変遷
朝日4版◎
軍事衝突 増す懸念
米「ロシア軍 戦闘準備整う」
プーチン氏、特殊軍事作戦承認毎日4版◇
ウクライナ 非常事態宣言
米「露、侵攻へ最終段階」毎日4版☆
露 ウクライナ攻撃開始
キエフの軍事拠点など読売4版
親露派 露に軍事支援要請
プーチン氏 本格派兵も
ウクライナ 非常事態宣言産経4版
親露派、軍事支援を要請
ウクライナ非常事態宣言日経1版
親ロ派が軍事支援要請
ウクライナ東部 プーチン氏に
「今晩中、本格侵攻も」米長官日経3版
プーチン氏「軍事作戦行う」
親ロ派の支援要請で ウクライナ東部
「本格侵攻 準備整う」米国務長官日経4版
ロシア、ウクライナに侵攻
プーチン氏、軍事作戦決定
東部・南部攻撃 首都で爆発音神戸4版
ロシア 軍事作戦決断
ウクライナ東部親ロ派地域
NATO、侵攻開始と分析