2021衆院選新聞調査(6)中国新聞
※2021年11月23日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。
第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第6回は中国新聞です。
3本社各紙面で見出しに立った当選者は
中国新聞は、広島県内ではトップシェアを持ち、岡山、島根、山口各県でも一定の読者を獲得しています。そのためブロック紙や準ブロック紙として扱われることがある一方、地元広島県と、有力県紙がない山口県以外では、取材・営業網の縮小傾向がみられることから以前よりも県紙的性格が強まっているとの見方もあります。
発行本社は三つ。広島市の本社紙面は広島西部と島根・鳥取向け、福山市の備後本社発行「備後版」は広島東部・岡山向け、山口市の防長本社発行「山口版」は山口県向け、とエリアごとに分かれています。
今回入手した紙面は本社版が18版と19版、備後版は17版と19版、山口版は16版の計5個版です。いずれも中国地方5県の20小選挙区はすべて当選確実が決まっていました。
そんな中、1面トップは全国の情勢に関する記事が配され、その隣には中国地方の選挙区結果を伝える見出しが縦3段分で載りましたが、やはり発行エリアに配慮して見出しに立つ選挙区・当選者名にバリエーションが出ました。
広島3区の斉藤鉄夫氏は公明党候補の比例からの鞍替え出馬という経緯があったため、県内でも最注目だった選挙区でした。そのため本社発行の18版、19版で主見出しを飾るのは順当でしょう。
山口16版は、山口県内全4選挙区で見出しを埋めた形となりました。
備後版は地域面を版建てによって分ける
さて備後版では17版は岡山5区、19版は広島6区と分かれました。岡山5区は笠岡市、井原市、倉敷市の一部などを、広島6区は尾道市や三原市(それぞれ一部地域除く)、府中、三次、庄原各市などを含んでいます。
実は地域面を見てみると、備後19版は「備後総合」の2個面のみとなっており、記事も広島県内のみに特化した内容となり、ほとんど本社18、19版の題字を差し替えただけの紙面となっていました。一方、備後17版は「井笠おかやま」の1個面のみで、開票結果を受けた陣営取材をもとにした記事は岡山5区の3候補のみ。
つまり同じ備後版でも、17版は岡山向け、19版は広島東部向けと配達地域を割り切って、1面も実際の配達地域を想定した紙面整理を行ったと思われます。
残り議席数
1面に「紙面制作上、開票状況や獲得議席数などが各面で一致しない場合があります」というお断りが掲載されており、1面と3面の集計進捗は異なる。