惜しまれつつ閉店、[松山市]サントリーバー露口。 お客さんみんなが『BAR露口・応援団』
■前回からの続き
残念ながら閉店してしまった「サントリーバー露口さんの素晴らしさ」についてです!
◇前回の記事
惜しまれつつ伝説の名店が閉店 [松山市]サントリーバー露口 〜伝説の角ハイボールとは〜|チャーリー / ウイスキー日記|note
◇閉店ニュース
惜別 ハイボールの聖地 松山・バー「露口」閉店へ(愛媛)(愛媛新聞ONLINE) - Yahoo!ニュース
◇露口さんの素晴らしいところ
前回は「角ハイボールの味わい」についてでしたので、今回はその次の「露口さんご夫妻のお人柄」についてです。
■バー露口さんご夫妻のお人柄
バー露口さんは「露口貴雄マスター」と「奥さんの朝子さん」のお二人で切り盛りするバーでした。そしてこのお二人のお人柄が素晴らしく、誰からも愛されていました。
実直で誠実な貴雄マスターがつくる極上な「角ハイボール」と、いつもニコニコ愛嬌たっぷりの朝子さんの「接客」。それらが織りなす最高の空間。
お客様は「常連客」もいれば「四国旅行で初めて来たお客様」もいます。
常連客には「地元の財界の名士」や「芸能人」も、とても多かったです。
全員に言えることは、1回行っただけで、お客様のみんなが、いつの間にか「バー露口さんの応援団」になってしまうということです。
そういう「不思議な優しさ」に満ちたお店でした。
地元の財界の名士(簡単に言えば地元企業の社長さん)も、大体が一人から三人くらいまでの少人数で来店されていました。
10席くらいのお店なので、大人数で来るのは野暮ですから。
ただ、常に満席のお店です。
入口の扉が開くと、貴雄マスターが「ごめんね。今、満席で・・・」と言うやいなや、『私たち、もう出ますから!』と、お客様から声が上がります。
これは、常連さんでも旅行者でも、社長さんでも若者でも一緒で、あの空間にいると、そう言いたくなる、というか自然と口から言葉が出てくるのです。
そして、そそくさとお会計を済ませて、「急がせてしまってスミマセン」と言って入店してくるお客様と、ペコっと会釈して入れ替わる。
そこには、「年齢」や「性別」、社長だ新入社員だといった「年次」も関係ない、素晴らしいBARの空間があり、お客様同士が知らずのうちに「バー露口さんの応援団」として協力しあっているのです。
■著名人にも愛されたサントリーバー露口
私がお伺いした時に、著名な芸能人が飲んでいたことも、一度や二度ではありません。
また、「サントリーバー露口」という店名ですから、店内にはサントリー2代目社長:佐治敬三さんの露口ご夫妻に宛てた直筆の「燦」という書が掲げられていました。
佐治敬三さんといえば、シングルモルトウイスキー山崎の「山崎」というラベル文字も、佐治さんの書なので、迫力のある書でした。
また、トリスといえば思い浮かぶレトロなキャラクラー「アンクルトリス」の作者として有名な柳原良平さん直筆のイラストも、木製の「アクルトリス楊枝入れ」の内側に描かれています。
お店には、その他にも著名人・芸能人のサインや、手紙・色紙などが数限りなくありました。
(佐治敬三さんの「燦」以外は、普段は仕舞ってあるので、お客様が少ない時とかに、話のネタとして朝子さんが見せてくれました。)
本当に誰からも愛され、多くの人が訪れたお店でした。
◇四国電力さんHP
サントリーバー露口さんの情報が、大変わかりやすくまとまっています!
松山の夜は昭和のハイボールでサントリーバー露口ものがたり | 2022年4月号 | バックナンバー | 四国電力広報誌 ライト&ライフ (yonden.co.jp)
■64年の歴史
サントリーバー露口さんは、1958年8月15日の開業です。
2023年8月15日で、64周年を迎えられました。
終戦の日を開店日に選んだのは、貴雄さんの「平和への想い」が込められているそうです。
ちなみに、オープン当初は、貴雄マスターは独身でしたが、その後、朝子さんとご結婚され、二人三脚体制となりました。
そして、貴雄マスターが、角ハイボールをメイキングする場所は、カウンターのある一点に限られています。
そこで開店以来、ずっとメイキングをしていたので、カウンターの木がすり減って凹んでいます。
その歳月を経ることによって「すり減って凹んだカウンター」は、初めて訪問したお客さんにとって、強烈なインパクトのあるものでした。
少林拳で、石畳の上で「拳法の型」を長年繰り返すことで、その石畳が「すり減っている」というのを彷彿とさせますね。
いずれにせよ、ずっと現役で64年!
凄すぎます。
■そして今回も・・・
最後まで書ききれませんでした。
次回も「サントリーバー露口」さんについてです!
※タイトル写真は、バー露口さんからタクシーでちょうど10分、道後温泉本館です。
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